4短編

□となりでお前が
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ソイツとはずっと一緒にいた。


海賊になると海に出て、初めての島で出会ったのがお前で。飯屋の看板娘だった。




食事中にも関わらず寝てしまう俺を見て楽しそうに笑っていた。明るく笑うお前に惹かれて、仲良くなって、次第に守ってやりたいと思うようになった。



島を出る時、お前の手を引いて海賊になろうと誘えばまた嬉しそうに笑う。



そこからずっと一緒だった。隣で俺が守ってきた。なのに、



「今日、マルコ隊長見ないね」



白ひげ海賊団に入ってからお前が追うのはいつもマルコで。今だって、マルコの姿を探している。



俺が守ってきたはずなのに。見てきたはずなのに。傍に、居たはずなのに。



「お前はマルコの事ばっかりだな」



皮肉交じりに出た言葉。それを聞いたお前は目を瞬かせ次いで困った様に眉を下げる。



「自分でも、馬鹿みたいだと思う程だよ。でも、初めて隊長を見た時、あの時助けてもらった時、世界が変わったの」



そう言って笑うお前は儚くも綺麗だった。



こいつが山賊に襲われそうになった時助けたのがマルコだった。その時名無しの目がマルコを映した時、俺は少し離れた場所に居て。



俺が助けるはずだった。隣にいれば危ない目に合わすはずなかった。



けれどその時、その場に居たのはマルコで。敵を易易と蹴散らして名無しに手を差す出す様は男の俺ですら見とれてしまう程、鮮やかで、かっこよくて、輝いていた。



「あ、マルコ隊長」



不意に聞こえた声が弾んで聞こえた。それを目にしたお前はあたかも当然のようにそちらに足を進める。



2人の会話が聞こえそうで聞こえない距離。お前は嬉しそうな顔でマルコへ駆け寄る。



少し前まで、俺が見ていた笑顔がマルコにとられた気がして心が燻る。



でもこれでいいんだ。
あいつが幸せなら、これでいい。



ーお前を守るのはずっとー

(俺でいたい)

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