【short/他】
□雨がもたらす悪戯
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部活でランニングしていると集中豪雨に遭った。急いで体育館へと戻り、途中で私はタオルを取りに行く。
体育館へ戻ると入口付近で数人が濡れたシャツを絞っていた。
「ありがとうございます!手伝いますよ!」
その中にいた金田一が私に気づいて駆け寄ってきた。いい子すぎる。
『ありがとう!じゃあ、半分お願い』
「はい!・・・あっ!」
片手で持っていたタオルを金田一に渡すと、受け取った彼の顔が一気に赤くなった。
『どうしたの?』
「えっと・・・あの・・・シャツが・・・」
視線を逸らした金田一に、私は自分の胸元を見た。シャツが濡れて下着が透けていた。
『あぁ、これか』
「着替えてきた方がいいんじゃないっすか・・・」
『後でね。今はタオル配らないと』
そう言ってシャツを引っ張って透けるのを少しでも抑えようとするけど無駄だった。さっさと配って着替えよう。
そんな事を考えながらタオルが入っているカゴを持とうとするとその手が誰かに掴まれた。見上げると一静がこちらを見下ろしていた。
「金田一、これも宜しくな」
何も言わずに私の手からカゴを奪うと金田一に渡した。
「あ、はい!」
金田一も状況が分かっているのか、テキパキとタオルを配っていく。金田一が配っている途中に他の1年もやってきて手伝っていた。今年の1年生はいい子達ばかりだ。
「お前はこっち」
一静に腕を引かれて体育館を後にした。
一静に連れてこられたのは部室だった。部室に入ると一静は自分のロッカーからジャージとシャツを取り出して私に渡した。
「これ来て」
『え、一静は?』
「俺はいい」
『更衣室行けば自分のあるから大丈夫だよ。ありがとう』
彼に返そうとすると身体が押され、一瞬でロッカーと一静に挟まれた。
一静との距離は人ひとり分のスペースも無かった。顔もキスができそうなくらい近く、動機が早まるのが分かった。
『・・・いいい、一静?』
普段しない一静の行動に思ったより動揺していて、行き場が無くてウロウロしている手が一静の手に取られて指を絡められる。そのまま一静の口元に持っていかれ手の甲にリップ音を立てキスをされた。上目遣いな目が色気を増していた。
『ど、どうしたの?』
「この格好で更衣室行くの?」
『え?』
「その間に他の奴らに見られたらどうすんの?」
『そんな、大袈裟だなぁ。誰もこんな貧相な身体興味ないって』
すると一静がフッと笑って、今度は本当にキスされた。後頭部を手で固定されていて逃げられなかった。
濃厚なキスに頭がボーッとしてくる頃にキスが終わり、唇が離れる瞬間に一静に唇を舐められた。まだ顔は近いまま。
「▲は本当に無自覚だな。さっきも体育館で金田一だけじゃなくてみんなに見られてたの気付いてなかった?」
『え!!』
まさか皆に見られてたとは・・・。
「着るか俺に脱がされるかどっちがいい?」
『き、着させていただきます!』
答える前に既に服の中に入っていた一静の手を押さえて着替えた。
及「・・・まっつん。あれじゃ、下に何も履いてないみたいで逆にエロ・・・いたっ!」