熱闘甲子園

□熱闘甲子園6
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rie side

僕と山本は投球練習をするためにみんなと別でブルペンへ向かった。
ブルペンと言っても、グラウンド端に作られた
とりあえずボールがどっか行かない用の網が貼られた空間だ。

北「じゃ、肩あっためるために軽く行こうか。」

僕は、キャッチャーの防具のマスクを下げ、ベースの後ろにしゃがんだ。
山本が軽く腕を振りかぶりボールを投げた。



ドンっ



キャッチャーミットに今までにない重量感が感じられた。


山「んー。昨日引越しでバタバタしてたから投げられてなかったし、微妙やな。」



これで軽くか?なんだこの重さ。ミットに入るときの震動。後ろに押される圧。
自分の身に起きた現象に驚きを隠せなかった。



山「北原、ボール」

今自分の身に起こったことを整理するのに、返球を忘れていた。

北「お、わりー」





もう一度、振りかぶった。




ドォオンッ




さらに強い震動が来て、しゃがんだ体を後ろに持って行かれないように踏ん張るのに必死だった。
キャッチャー用の厚めにミットからでも掌がボールの衝撃でヒリヒリする。


山「じゃ、次右カーブな。」

その後も様々な球種を試した。
左右カーブ、フォーク、ナックルまで。

しかもどれもコントロールも抜群だ。こいつ、只者じゃ無い。
普通の高校生なら球種はあってもコントロールが効かない選手がほとんどだ。

一体どんなヤツなのかもっと知りたくなった。
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