熱闘甲子園

□熱闘甲子園2
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3年に進級して1ヶ月弱が過ぎた。
朝、横山監督に呼ばれて、職員室に向かった。

北「失礼します!監督おはようございます。」

横「監督やなくて、ここでは先生な。今日から始まる選抜チームの名簿や。
あんたのバッテリーもこんなかおるから、放課後までに仲良うしとき。」

北「いや、先生。やっぱりおかしいと思うんですよ。
みんなだって甲子園目指して頑張ってきたんですよ。なのに今年から急に……。
僕だってやっと内田とバッテリーとして息合ってきたんですよ。」

横「確かにあの内田とはよくやった。北原はよくここまで育てた。
でもな、お上のお触れには逆らえへん。
それに大阪校に山本はメチャメチャええピッチャーやで。
北原のためにも実力のあるやつらと、ちゃんとやったほうがええ。
お前はまだまだ伸びるから。
それに、わかってるだろ?うちの状況。どうにかして結果残さないあかんねん。」

北「はい………。わかりました……。」

横「北原の将来のためでもあるんや。じゃ、よろしくな。」










今年から始まったこの選抜制度。
各校どんな雰囲気かわからないが、この東京校ではいい雰囲気ではなかった。
絶対にこのメンバーで甲子園目指そう。そう誓い合った仲間を蹴落として
他の学校から来たやつらとチームを組まなくてはならない。
せっかく積み上げてきた信頼やチームワークをもい一度作らなくてはならない。

僕もキャプテンとしてやっていくのにどうすればいいのだろうか。
ずっと悩んでいた。

それに、この突拍子もないもくろみ。
かなりの予算がかかるらしく、今年結果を出さなければ全国の野球部が
廃部となりことが決定している。後輩たちのためにも絶対に潰すわけにはいかない。












はぁ、どんなやつが来るのやら……。
廊下を歩きながら資料を眺めていた。
先生からもらった名簿には身長、体重、握力、50mタイム、
ピッチャーには球速まで記されている。

ピッチャー、山本彩……155km/h!??!!?!!?
球種も十分過ぎる……。

高校生でこのスピード、バケモンか!!
こいつとバッテリーを組むのか………。


内田には申し訳ないが、確かに実力はある。


一体、どんなヤツなんだろうか……。
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