熱闘甲子園

□熱闘甲子園1
1ページ/1ページ

yui side

「さーて、今年もこの季節が来たか。」

早朝のグラウンド。昨日の雨で濡れた土が朝日に照らされ、水が蒸発して
ムッとした独特の水と土の匂い。

学校にはまだ誰もいなくて、静かな時間。

ついに、今日から始まるのか。





僕が勤める学校法人アキバ学園は共学で創立80年を超え、文武両道をモットーに
進学にも、部活にも力を入れている。

あっ、僕は横山由依。社会科地理の教員28歳。

僕が顧問兼監督をする野球部はなんというか、、、地味に強くて地味に弱いというか、、、
甲子園出場経験はなし。でも地区大会では結構いいとこまでいく。
ただの一教員が監督をしている割には強い方だと思う。

今年から理事長が変わり、その理事長が野球が好きで野球部に力が入れられることになった。
力を入れる具体策として、全国のアキバ学園の東京本校、大阪校、福岡校の野球部から選抜した選手を
選抜された選手をここ東京本校に転校扱いとし、東京に選手を集めて甲子園出場を目指すことなった。
全国にある野球部も状況は同じ。甲子園まではいかないけど、地区大会はいいとこまでいく。
そのチームのいいとこ取りをしたら、甲子園に出れるのではないかって。
理事長も突拍子のないこと、考えたもんやなー。

で、今日はその全国から選抜された選手が転入してくる日。
年明けから選抜を行い、GWから本格的に練習を始めるために4月末にこちらへくることになった。
もちろん、選手は一人暮らしになる。が学費生活費はこちらが負担。無理やり引張て来るからそりゃそうか。




全国から選抜された選手はこいつらだ。

1ピッチャー 山本彩(大阪校)

2キャッチャー 北原里英(東京本校)

3ファースト 柏木由紀(東京本校)

4セカンド 入山杏奈(東京本校)

5サード 宮脇咲良(福岡校)

6ショート 兒玉遥(福岡校)

7レフト 白間美瑠(大阪校)

8センター 渡辺麻友(東京本校)

9ライト 矢倉楓子(大阪校)


各学校からはマネージャーも一緒に来ることになった。
同郷のマネージャーが居れば、慣れない東京もどうにか乗り越えられるだろうという配慮からだ。

大阪校からは渡辺美優紀、福岡校からは指原莉乃。
指原は1年の時に福岡に転校になったので、出戻りだな。俺もよく知ってる。

さ、この選抜チームでどんな夏が過ごせるのか楽しみだな。
次の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ