熱闘甲子園

□熱闘甲子園29
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yui side

車で一人暮らしの自宅へ帰ろうとすると向こうからぱるるがやって来た。

遥「由依ー!」

由「なんや?」

遥「もう帰りでしょ?駅まで連れて行ってよ。」

由「えー。」

遥「いいじゃん。」



ぱるるは助手席のドアを開け、シートベルトを締め行く気満々だったので
諦めて車を出した。




遥「ねぇ、由依って小嶋先生のことどう思ってるの?」


ぱるるが急に奇妙なことを聞いてきた。



小嶋先生とは保健室の先生で、ぱるるの一番先生。
超絶美人で男子生徒や先生からの人気も抜群だ。



由「どうって、仕事ができるちゃんとした先生だよ。」

遥「ふーん。じゃあ、小嶋先生とのデキテル説については?」

由「はぁ?小嶋先生と?なんもないで。」


どっから、そんな噂が。


遥「何もないのは知ってる。小嶋先生から聞いたもん。」

由「ちょ、なんでそんなことを……。てか、なんでデキテル説あんねん!」

遥「そりゃ、由依が毎朝小嶋先生のところ行ってオシャレ指導してもらってるからじゃない?」

由「あーなるほどね。ってなんでそこまで知ってんねん!」

遥「由依昔からダサかったけど、最近オシャレになったのは小嶋先生のおかげかー」

由「うるさい。」


確かにオレは昔からダサいと言われてきたが、ぱるるに言われると癪に触る。




話題も尽き車内が静かになる。
車のエンジンの音だけが聞こえる。





遥「ねぇ、まだ返事聞いてないんだけど。告白の」

ぱるるがボソッと呟く。せや、告白されたんやった…。でも、返事は決まっている。

由「今は生徒と先生だからダメだ。大人になったらね。」

遥「私もうすぐ卒業だよ。大人っていくつよ。私もう18だよ。それでもダメ?」

由「それは………」



返事に困っていると、ぱるるがさらに捲したてる。

遥「ねぇ、由依って巨乳派?貧乳派?」

由「はぁ??あんた、アホちゃう??」

遥「やっぱ、小嶋先生みたいに大人でおっぱい大きい人の方がいいのかなぁー」

由「あんなぁ、どこでそんなん覚えてくんねん。」

遥「もぉ!由依のバカ!」

由「駅着いたで。さっさと降り。」

遥「小嶋先生がはっきりNOって言ってないからまだ可能性あるっていってたもん。
まだ諦めないから!!」

由「ったく。気ぃつけて帰りや。」



バン!!
ドアを強く閉め、ぱるるは駅へ向かった。



そっかあのぱるるも、もう18か……。大きくなったなぁ。

長い髪を揺らし歩く姿は、あの頃の子どもの彼女ではなく、成長した女性だった。
怒った顔は昔と変わらないが、どんどんキレイになっていく彼女に胸が高まっていた。





end
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