熱闘甲子園

□熱闘甲子園26
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yui side


年の瀬で、吐く息もすっかり白くなった。
8月のあの日からは本当にあっという間だった。




全国大会3回戦敗退。




初出場のウチにとっては大快挙で、ピッチャー山本の与えた世間への影響も
凄まじいものだった。

山本はあのままU-18の選抜に選ばれ海外遠征し、そこでも活躍を見せた。

9月になるとプロ志願届というものを提出する。ドラフト会議への参加希望書だ。
ウチから提出したのは山本1人。他は就職・進学をする。



ドラフト会議で山本は東京の球団に1位指名され、入団が決まった。




野球部の地方からの3年の選抜者は就職や進学に便利だからと、東京に残る者も多かった。
2年生は来年に向け、地元へ戻りさらなる高みを目指し練習を始めた。




そうそう。今年の成果を認められ、野球部は存続、来年も選抜制を導入して、
監督やコーチを新しく外部から呼び、さらなる強化をすることになった。

よって、オレは御役御免。まぁ、顧問は続けるけどね。



横「ふぅ、終わったー。」

今年の報告書と来年の引き継ぎ書類をやっとまとめ終わった時にはもう
職員室には誰もいなくなっていて、気兼ねなく伸びをする。

ふと机の上を見ると、甲子園の閉会式で撮った集合写真。

みんな、前々日の試合で敗退し泣いたので目が腫れているが、
太陽の下焼けた肌と眩しい笑顔がとてもキラキラしていた。

横「今年は本当にいい夏やったな。」










-----野球部存続を告げられた時-----------------------------------------

理事長「やっぱり、高校野球はいいですねー。」

黒縁メガネで腕を組み、理事長室から部員たちが練習している姿を嬉しそうに見ていた。

横「あの、理事長。質問があるのですが……」

理「ん、なんだ。」

横「部室に飾ってある、恋愛禁止のルールって誰が作ったかご存知ありませんか?」

理「あー、あれ。私だよ。」

横「えーーーーーー!!!」




end
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