熱闘甲子園
□熱闘甲子園21
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rie side
大阪に入り、日課のランニングをしようにも道が全く分からず困っていると、
山本が誘ってくれた。宿泊所近くを観光も兼ねながらランニング。
休憩をしようと山本がコンビニで飲み物を買ってきてくれた。
山「ほいっ」
北「さんきゅ」
ビンに入った飲み物。ラベルを見ると、ん………?たこ焼きサイダー??
山「オレ、これ好きなんよねー。(プシュー)んっ、うまー」
北「いやいやいや」
関西人はソースの味がすればなんでもうまいのかと軽蔑した。
山「早よ、飲めや。温くなんで。」
北「おっ、おう………」
僕は意を決してサイダーを口に流し込んだ。
北「………うまい……。」
予想に反し、キレイでおいしい水に甘すぎない爽やかな味付け。そして強めの炭酸。
火照った体を冷やしてくれる。
山「これな、たこ焼きにめっちゃ"合う"サイダーやねん。」
北「あっ、そういうことか。」
ネーミングセンスに問題があるだろ、とツッコミを入れつつサイダーを飲み干した。
復路に帰そうと走り出すと、僕の携帯が鳴る。
北「あっ、ちょっと待って」
♫振り向くな 光は前にある
今年の甲子園のテーマソングの着信音
山「それ、いい曲やんなぁ」
北「な。はい、もしもし。莉乃ちゃん?うん、えっ。ぱるるが倒れた!?」
山「えっ」
北「大阪中央病院……。うん、今山本と一緒。すぐ行く」
山「走ればすぐや。」
北「うん。」
病院へ着くと、みんながいて僕らが最後の到着だった。
医者の話を聞いた監督が診察室から出てきた。
横「おっ、みんな来てくれてたんか」
指「監督、ぱるるは?」
横「今は薬も効いて寝てる。環境が変わったから体が追いつかなかったんやろって。
後はオレが付いてるから、明日からのためにもう帰りなさい。
指原、後でぱるるの荷物持ってきてくれるか?」
指「はい、監督の分は?」
横「大丈夫や。オレも落ち着いたらすぐ戻るから。」
指「わかりました。」
気をつけて帰るんだぞ、と監督に見送られ僕らは宿に戻った。
部員ではないが僕らにとって大切な仲間で、ずっと応援してくれていた人。
みんな心配で帰り道は静かだった。
end