熱闘甲子園
□熱闘甲子園17
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sayaka side
ついに来た地区大会4回戦、決勝戦だ。これに勝った方が甲子園行きだ。
相手校は去年の地区大会優勝校。甲子園経験者だ。北原によるとスポーツの名門校らしい。
「お前が山本彩か」「テレビとかよく出てるなー」「調子乗ってんじゃねーぞ」
ベンチで準備していると、練習中の相手校がケンカをふっかけてくる。
北「お前らな!!」
山「北原、止めとけ。相手にすんな」
温厚な北原が珍しくキレていた。
北「マジでムカつく。いつもなんだよ。」
山「ほっとけ」
試合開始の合図が出た。俺らは後攻だ。
1回から7回まで両者一歩も譲らず、0-0で迎えた8回裏。秋葉学園の攻撃。
バッターは北原。
1球目、ストライク。
2球目、高めのボール。
3球目、外側カーブ見事に打ち返し左中間へヒット。
続く柏木もヒットを打った。
ここに来て、相手投手の疲れとこちらも相手のボールに見慣れてきた。
続く入山は打ち返したもののフライでアウト。
さらに柏木が塁に戻れずWアウト。
迎えた2アウト2塁に北原。バッターボックスには4番渡辺。
1球目はど真ん中ストレート、ストライク。相手はうちの4番を舐めてる。
2球目もストレート。しかし渡辺は見事にボールはグランド高く飛び、バックネットに入った 。
ホームランだ。
会場がわーと盛り上がり、北原と渡辺が帰ってきた。
次のバッター宮脇で三振アウトで、チェンジになった。
北「よっしゃー!」
渡「ったく、舐めてんじゃねーよ。」
横「さすがうちの4番やな」
山「でも、守りきらないと。」
横「このまま逃げ切るぞ!行ってこい!」
「「「はい!!!」」」
9回の表。2-0で秋葉学園のリード。
俺らもボールになれれば、相手も俺のボールに慣れてくるわけで。
それに名門校。強者揃いだ。
一人目ヒット、二人目二塁打を許してしまった。
そして3人目は代打でいかにも打ちそうなやつを出してきた。
1球目、得意のフォークでストライク。
2球目、ど真ん中ストレート カキーン
先ほどのヒットとはわけが違う芯の捉えたいい音がし、ボールは俺の遥か上空を飛んだ。
そのまま場外ホームラン。
3点を取られて9回の表を終えた。
北「やられたな。」
山「さすがやわ」
北「僕らも点返そう。9回ウラまでわからないのが野球でしょ。」
山「おう。」
9回ウラ。打順は大阪校が固まった。白間、矢倉、山本、兒玉の順だ。
まず白間がレフトにヒット。矢倉が2塁打。
ノーアウト1塁3塁で俺の番が来た。
右のバッターボックスには入り、ピッチャーを睨む。
山「絶対返したる」
1球目は内側高めのカーブ。
疲れてきたのだろうか、コントロールが危ない。
2球目は低めでボール判定。
3球目、外側へボール。
山「ちゃんと投げろや」ボソッと呟いた。
4球目、内側によくかかったカーブは高さを維持したまま飛んできた。
山「っい………」
右肩に当たった。
審判「デットボール!!」
押し出しで白間が帰還。3-3で同点になった。
続く兒玉が2塁打で矢倉も帰還。3-4Xでさよなら勝ちした。
試合後のミーティング。
横「山本、大丈夫か?痛そうやったけど。」
山「かすっただけです。ただの審判へのアピールです。」
横「みんな、とりあえずおめでとう。でも、ここで終わりやない。ここからや。
甲子園は開幕したら連日試合や。開幕まで時間はあるからきちんと調整するように」
「「「はい、!」」
end