おそ松さん【四男総受け】
□独占
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「お前が好きだ。一松」
その言葉を聞いた瞬間、思考回路が停止した。
いや、普通可笑しいだろ。兄弟に…しかも男に告白とか。頭可笑しいんじゃないの? あぁ、元々か。
…でも、正直…俺もコイツのこと、好きなんだよね。そんな俺も頭が可笑しい。
溜め息を吐き、心配そうな顔をするクソ松から視線を逸らして俺はぽつりと呟いた。
「……俺も、嫌いじゃない…」
「はは、一松は素直じゃないな!」
“ま、そんな所も愛おしいがな”と無駄にカッコつけているが寧ろイタい。
それは今だけその言葉を飲み込んで“はいはい”と軽く返しておいた。
つくづく思うけど、俺って本当に素直じゃないよな…好きなら好きってはっきり言ってしまえばいいのに素直になれない。
だからクソ松も他の人を好きになるんじゃないかってずっと不安だった。
でも…。
「一松、お前だけは誰にも渡さないからな」
目の前で微笑んでいるコイツ。
思いを伝える前に逆に伝えられて。でも、悪い気はしなかった。
けれど、俺は知らなかったんだ。“誰にも渡さない”その言葉がどんなに重いものなのか…。