小説

□セミシグレ
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・逆トリップ的な何か

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弾ける都会の喧騒、逃す終電、満杯のホテル、歩く深夜の公園、
こつり、石、あ、蝉が死んでる、セミガシンデイル!!?

「大変!!セミさん死なないで!まだ夏はこれからよ!!」

「Oh……、オレを覗きこむのは…誰だ……」
「セミさん生きてる!良かった」
「ここは……オレはどうなったんだ……」

「あなたはセミよ。きっと暑い日が続くから、夏だと思って出てきちゃったのね。
でもまだ今は梅雨なの。雨が降ると、とたんに春先の涼しさよ」
「Shit!!オレとしたことが戦況を読み違えちまったぜ!」
「さ、土の中へおかえり。羽根を伸ばすにはまだ早いわ」
「All right、悪かったな」
「いいのよ。暑くなる頃また会いましょう、セミさん」(土をかぶせながら)
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