贈り物

□RainyDay
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「あちゃ〜・・・すっごい雨」

家を出てすぐ雨に打たれベトベトになっていたうさぎ。

「雨降るなんてあたし聞いてなーい!」

泣きそうになりながらも彼等の待つマンションに早く辿り着く様に懸命に走る。

「早く着け〜!」

雨で体温が奪われて行く。
やっとの思いで目的地に辿り着きインターホンを押す。

寒さで意識が朦朧としてきた。





―Rainy Day―









「おだんご!?お前何やってんだよ!」

インターホン越しに星野の声が聞こえる。

「エヘヘ〜・・・雨降るなんて聞いてなくて・・・」

直ぐ開けるから!っと言ってインターホンは切れた。
それと同時にドアが開く。

ガチャ―――

「あんたバカなの?今日は雨だってテレビでも言ってたでしょ」

星野との会話を聞いていた夜天が星野よりも早く、うさぎの元へ駆け付けた。

「夜天君。こんにちは」

星野だと思っていたうさぎは突然目の前に現れた夜天に少し驚いた。

「あんたこんな状態で何悠長に挨拶なんかしてんのさ。早く入りなよ。風邪引くよ」

そう言って持ってきたバスタオルをうさぎに渡し、中に入るよう促す。

「あ・・・ありがとう」

夜天からバスタオルを貰うとお邪魔しますと言って家に入れて貰う。

「それ、巻いときなよ。目のやり所に困るから」

そう言われてうさぎは自分の姿を確認した。
雨に濡れ、下着が透けていた。

「あっ・・・//」

夜天に見られたと思い恥ずかしくなり、顔がみるみる内に真っ赤になるのが自分でもわかった。

「おだんご!大丈夫か?なんか顔が赤いけど・・・熱でもあんのか?」

「ちっちちち違います!!」

その様子を見ていた夜天が喉を鳴らして笑っていたのは言うまでもない。

「月野さん。いらっしゃい。雨に濡れて来るとは思ってませんでしたが・・・;」

少し苦笑いしながら言う大気にまた恥ずかしくなってきたうさぎ。

「とりあえず、シャワー浴びて来て下さい。そのままでは風邪を引いてしまいます。夜天、あなたの服を月野さんに貸してあげなさい」

その間にあなたの服は乾燥させますから。
と大気はうさぎに説明をした。

「すいません大気さん・・・夜天君もごめんね」

来て行きなりお世話になりっぱなしで申し訳なさそうに謝るうさぎ。

「あんたがドジでバカなのは知ってるよ。ほら、早くシャワー浴びて来たら?」

酷い言い方だが、これが夜天なりの優しさなのだと知っているうさぎは
ありがとうと言ってシャワーを借りる事にした。







―――――――








「暖まったなー」

シャワーを借り夜天の服に着替え、
リビングのドアを開けた。

「月野さんすこしは暖まりましたか?」

「はい!ありがとうございます」

いつものおだんごは解いて長い髪からポタポタと雫が落ちていた。

「おだんご・・・じゃねぇな、今は。夜天の服でもぶかぶかだなー」

三人の中では一番小柄な夜天の服でも、やはりうさぎにはぶかぶかだった。

「それより月野。髪、濡れたまんまじゃ意味ないでしょ。僕が乾かしてあげる」

おいで、と夜天に言われたが恥ずかしくてなかなか行けないうさぎ。

「自分で乾かせるからいいわよ///」

照れながら言ううさぎに夜天はいいから早くしてよと急かす。
すると星野が

「じゃあ、俺が乾かしてやるよ」

と無理矢理うさぎを連れてきた。

「ちょっと星野!僕が乾かしてあげるの!邪魔しないでくれる!?」

星野と夜天がうさぎを取り合いしていると大気が間に入って来た。

「月野さんが困ってますよ。それなら私が・・・」

と言ってうさぎを自分の元へ連れて行こうとしたから夜天がすかさず自分の元へ引き戻した。

「もぅ!星野も大気も邪魔しないでよね!」

うさぎは恥ずかしくて顔を真っ赤にしながらあたふたしていた。

「やっ夜天君///自分で乾かせるからいいよ///ほら、あたし髪長いから時間掛かるし!」

乾かして貰うなんて悪いから!
と付け足したうさぎだが、夜天は納得しなかった。

「いいから!僕だって君と変わらないくらい髪の毛長いんだから、慣れてるよ。ほら早く座って。それとも僕じゃ嫌なの?」

子猫の様に上目遣いでうさぎを見る夜天。
夜天のその表情にうさぎはノックアウト寸前だった。

「嫌じゃないよ///嫌な訳ないじゃない///」

あまりの夜天の上目遣いにうさぎは素直に乾かして貰う事にした。

「最初っから素直にそう言えばいいんだよ」

そう言ってうさぎの髪を乾かしてくれた。
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