鳴門惹起説話
□共通3
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雨野家の双子もアカデミーに入り、その才能を遺憾無く発揮した処でめでたく卒業を迎え、本日ついに班分けと相成った。
留年だった筈のナルトも、何があったのやらどうやら無事卒業していた様子でテンションも高く、よほど嬉しかったのだろうライバル視して突っ掛かってばかりいた筈のうちはサスケと接吻をしていた様であった。目出度い話である。
「よお、ミノル、ミノリ、ついに班分けだな。
めんどくせーけどよ。」
「おはよう、シカマル。
班分けって言っても俺達二人はまぁ何時もの事情で同じ班って既に決まってるから、今日は皆の班分けを楽しみにしとくよ。
シカマルも、面白い組み合わせだといいな。」
「おう。つっても多分オレらもどうせ決まってると思うぜ。
オレとチョウジとイノ。
親父の代から三人一組でな、イノシカチョウって呼ばれてる。」
「そーなの?
ま!シカマルも是非他班のメンバー予想とかして楽しめば良いと思うよー。
私達はさっきからそうして遊んでたし。」
「………お前ら二人共そう言う処そっくりだな。流石双子。
良い性格してやがるぜ。」
シカマルに呆れられた処で、ついに担任が教室にやってきた。卒業生達の待ちに待った班分けである。
「全員揃ってるなー!?よーし。
ほら、いつまでも浮かれてないで着席だ!
わかってるか?ナルト。」
「まぁーたオレだってばよ!もう席についてるっつーの!」
「ははは、そうか!そりゃすまん!」
アカデミー在学中には、日々お世話になったうみのイルカである。
イルカの態度が何時も通りであった為、騒いでいたクラスの生徒も、緊張しきりで固まっていた生徒も、全員が一度息を吐き落ち着いた後気を引き締めなおし、今度は改めてイルカの方へ視線を向けた。
「皆、良い顔だ。よし、じゃあ注目!
今日から君達はめでたく一人前の忍者となった訳だが………。
しかし、まだまだ新米の下忍。本当に大変なのはこれからだ!
これからの君達には里から任務が与えられる訳だが、今後は三人一組の班を作り、各班ごとに一人ずつ上忍の先生が付き、その先生の指導のもと任務をこなしていく事になる。
えー、班については力のバランスが均等になるようこっちで決めたからなー。」
「「「えー!」」」
生徒達のブーイングをものともせず「班分け発表するぞー!しっかり聞いておくようにー!」と、イルカは一班から順にお構いなしに口にする。容赦はない。
「じゃ次ー、七班、春野サクラ、うずまきナルト、それと……うちはサスケ。」
面白味のある班分けである。ナルトにとってこの上なく腹立たしい班員だろうと思いミノリの顔には笑みが浮かんだ。
と言っても、今日も今日とて口布・ゴーグル・フード装備のフルセット。どれ程にやけても双子であるミノル以外には決してバレはしない。
「イルカ先生!よりによって優秀なこのオレが!
何でコイツと同じ班なんだってばよ!」
案の定文句があるらしいナルトがイルカに抗議の声をあげているが、それが通る筈もなく。
全て決定事項である。