WTの○○と行く○○の旅。

□HPトリガー U
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 「アメノ・サギリ。」  “スリザリィィィン!!”


 組分け帽子がそう叫んだ時のスリザリン寮監であるセブルス・スネイプの表情とは、余程予想外だったのだろう今迄ダンブルドアですら見たことが無いのではないかと思わせる心から驚いたような顔であった。



「アラフネ・テツジ」 “グリフィンドォォォル”

「フユシマ・シンジ」 “レイブンクローッ”

「ジン・ユウイチ」 “ハッフルパフ!”


 と、言ったように故意なのか何なのか。何故か四人バラバラの寮に振り分けられる事となり。時折合同授業で一緒になる他は、基本的には皆別々に行動する事になるーーー……筈の所なのだろうが。
 其処は矢張、国も違えば世界も違う出身の四人である。
 寮分けがどうだろうと知ったこっちゃない訳であったから、授業以外の殆んどの時間は大抵四人集まって行動していたのであった。

 初めの頃こそ周りの人間も、それこそ他寮生についてのある種の悪口とも言える忠告等を繰り返して居たのだが、余りにも四人共から何時でも「うん、心配してくれて有難う」「ははは、大丈夫だって」「寮以前に全員日本人だからなぁ」「くだらねぇ事グダグダ言ってねぇで、やる事やったらどうだ」の定型文での返答があるのみであっては最近では諦めた様子を見せている。
《日本人はそう言うものなんだろう》が根付きつつあるようである。

 ミデン……三門市のある出身世界であるが、其処から異世界へと跳ばされた四人が着いたのは、奇しくも荒船や紗霧もよく知っていた小説の世界、魔法界であった。
 更には何らかの意味があるのかは判らないが、偶然にせよ、物語の主人公ハリー・ポッターと同年の入学であったのだ。

 取り敢えずは今の所ダンブーに言われない限りは手を貸す理由も必要も無く、見守る(と言うよりは傍観するのみである)体制を取っている。

 未来を視る迅などは時折呼ばれては助言めいた事をするようだったが、実は根は人の良い荒船等も全力で勉学に励むハーマイオニーに対しては親切なようだが、存外サボり癖のあるハリーやロンには然したる興味もないようであった。
 
 冬島に関しては論外である。流石元エンジニア、と言えばいいのか。どうやら魔法界にある色々な物事の方に興味が湧きすぎたらしく今や完全に研究者の様相を呈している。(成る程レイブンクローだわ、と紗霧と荒船は二人でよく話している)

 紗霧に至っては元来ポッターが好きではない。
 スネイプ教授の敵(ではない筈なのだが)は私の敵、だからである。

 故に今まで一度足りとも手を貸す事は無かったのだった。
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