バサラの○○と行く○○の旅。
□武将制動録
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「ぬ、ぬおおおあおあおあ!!なんと!!そなたはもしや紗霧殿!風魔の紗霧殿では御座らぬか?!
某!真田源二郎幸村!まっっっことお久しゅう御座るううううううぅぅぁぁあああ!!」
周囲のあらゆる人間の頭を割るつもりかという音量にて猛々しい男の声が響き渡った此処は三門市中学校、入学式会場でのことであった。
今世こそハプニングのない穏やかな普通の人生を歩ませて下さい。
今年の初詣でそう神に祈願した筈であったが、その願い、最早叶うべくもないのであろう。
(よりにもよって貴方とは。)
「ご……っ、御無沙汰しております真田殿。変わらずお元気のご様子にて此の紗霧、安堵致しまして御座います。」
「うおおあおおおぉ!そなたこそ何も変わらぬ様子に御座らば某も安堵しましたぞ!しかも互いに本年度入学とは、まこと奇遇なりいいいぃぃい!」
「………………真田殿、場所をかえても宜しゅう御座いますか。」
(此処は些か…、あまりに人が多すぎて駄目だ…。)
「おお!そうで御座るな!某も積もる話があり申す!“此処”に来て初めて会う“同郷”の者なればこそ!
も、もし良ければ某と『あどれす』をこっ!こうっ!交換して頂きたく!!!」
此処まで全て大音響の。とんだ中学デビューであった。
※※※※※※
「………久しいな、風魔の忍よ。
あの騒々しい真田ではないがそなたは余り変わらぬようだ。」
クラス分けされた先の教室に居たのは、オクラの妖せi…で有名な彼の毛利少輔次郎元就公であった。
「あの騒ぎ、聞いていらっしゃったんですか、毛利殿。然らば何故助けて下さらなかったのですか。入ってきて下されば、毛利殿も同郷の士とかで共にアドレスを交換出来ましたものを。」
「聴こえぬとでも思うのか、あの音量で。
あの場に居た全員が注目して居ったわ。
我は面倒は好まぬ。何れは見付かろうとも、其れまでは只静かに過ごすのみよ。」