−LOVE―

□ありがとうの言葉を
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童実野高校へ転校してきて私は変われた。

皆が居てくれたから。



私は小さい頃に事故で両親を亡くして児童養護施設に引き取られていた。

でも、施設の人が童実野町に遠い親戚が居るのを見つけてくれた。

そして施設から離れてこの童実野町に来たのだ。




私は童実野高校に転校してきてずっと独りぼっちだった。

施設にいた頃もずっと1人。


そんな孤独...もう慣れていた。


休み時間もお昼の時間も帰りも...

ずっとずっと1人だった。




ある日、同じクラスの遊戯くんが話しかけてきた。

遊戯くんは城之内くんや本田くん、杏子ちゃんと仲が良くていつも話で盛り上がってるのをよく見かけていたから知っていた。

「愛ちゃん、、、だよね?」

ちょっと緊張しているみたいだった。

「城之内くんがたくさんアメくれたんだけど、僕こんなにいらないから少し愛ちゃんにあげようと思って...いる?」

頷くといくつか遊戯くんからアメを貰った。


この日をきっかけに遊戯くんと話すようになった。

もちろん城之内くんと本田くん、杏子ちゃんとも話すようになった。


あと、もう1人の遊戯くんとも話せるようになった。

初めはびっくりしてしまった。

だけど、もう1人の遊戯くんも私を受け入れてくれた。


皆ずっと前から私が一緒だったみたいに親しくしてくれた。

今までずっと独りぼっちだったなんて考えられないくらいに。





「愛〜」

ある日、杏子ちゃんに呼ばれて遊戯くん達の所に行った。

するとカードを広げ遊戯くんと城之内くんがデュエルモンスターズをしていた。

今、流行りのカードゲームだ。

少し興味があったけど、実際にカードとか闘ってる所を見るのは初めてだ。


「愛もデュエルモンスターズやんねぇか?」

と城之内くんに言われた。

「やってみたいけどルールよく分からないの。」

そう私がいうと

「じゃあ、僕が教えるよっ」

遊戯くんが言った。

「いや俺が」
「いやいや俺だろっ」

なんだとー
俺が愛に教えた方がぜってー強くなるぜ

俺が優しく分かりやすく教えてやるんだよっ
城之内はどうせ熱く語ってるだけでまともに教えられねーだろっ

と城之内くんと本田くんが言い合ってる。


「じゃあ私が教えてあげようか?」

杏子ちゃんも言い出した。


杏子ちゃんならいいかな〜
女の子同士ゆっくりしたいな〜

と考えていたらもう1人の遊戯くんが出てきて

「愛っ俺が教えるZE☆」

と...


皆、そんなに私にデュエルモンスターズやってほしいの!?

なんか嬉しい

私にデュエルモンスターズを教えようと必死になってくれてるんだから


「じゃあ皆に教えてもらいたいな〜」

そしたら皆、賛成してくれた。

最初から皆に教えてもらうことにすれば良かった笑



そうして、皆にデュエルモンスターズを教えてもらっている。


デュエルモンスターズを通して私たちの友情は深まった。

独りぼっちだった私を皆が救ってくれた。


最初に遊戯くんが私に話しかけてくれたのがきっかけでここまで仲良くなれた。


遊戯くんありがとう


ダメだ。ちゃんと言葉にしなきゃ!




いつものように皆とデュエルモンスターズの事について教えてもらっている時、

「皆っ!」

遊戯くん、城之内くん、本田くん、杏子ちゃんが私の方を向いた。

「どうしたの?」

杏子ちゃんに言われた。


「皆に会わなかったら私...ずっと1人だった。
今、皆とこうやってデュエルモンスターズやってること...私、凄く今嬉しいのっ」

「遊戯くん、あの日私に話しかけてくれたのがきっかけでこんなに仲良くなれたの。本当にありがとうっ遊戯くん!」

「城之内くん、本田くん、杏子ちゃんも本当にありがとうね。」


やっと言葉にすることが出来た。

ちゃんと言葉にしなきゃ伝わらないことがある。







皆、本当にありがとう
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