ANNIVERSARY
□フリリク
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ファルコ「おっ」
メタナイト「むっ」
デデデ「ゾイ?」
ゲムヲ「アラマ」
映画館の前で偶然顔を合わせた4人は、それぞれの個性が出る反応を示した。
というのも、スマブラの面々は個性的な者が多いので、ここまでの大人数が示し合わせたでもなく同じ場所に来るのは非常に珍しかったからである。
しかも。
メタナイト「見る予定の映画まで同じとはな」
デデデ「お前、青春もの見るんだなゾイ」
ファルコ「ゆきが感動した、面白いから見にいけ感想言えって煩いから、仕方なくな」
ゲムヲ「エ・・・ボクモデス」
デデデ「お前達もかゾイ!?」
案内の放送が鳴り響く中、4人は沈黙した。
数秒して、メタナイトがふぅーっと深く溜息をつく。
メタナイト「どうやら我々は、総じて彼女に甘いらしい」
ゲムヲ「ボク達ダケデハアリマセンガネ」
デデデ「どいつもこいつも同じゾイ」
ファルコ「あいつは皆の妹みたいな感じだから、必然的にそうなった感じもするがな」
気を取り直して、4人は上映15分前を待って雑談を始めた。
例のあれの為か、上映15分前にならないと入れないのである。
当然待機用の座る席なんて無いので、ポップコーンなども入場前までは持って立っていなければならない。
零したりしたら大変だし恥ずかしいから、買うのも後だ。
デデデ「お前達は二人で来たのかゾイ?」
ファルコ「いや、お互いに一人だ。フォックスは乱闘、ロボットは整備の仕事をしてる」
ゲムヲ「メタナイトサントデデデサンハ一緒ニ来タヨウデスネ」
メタナイト「丁度大会の空きが重なってな。カービィの面倒を見るべきかとも思ったのだが、他の者が引き受けてくれたので甘える事にした」
ファルコ「そりゃよかったな。お、そろそろ20分前だぞ」
デデデ「それなら、ドリンクとポップコーンを選ぶゾイ」
デデデがそう促すと、4人はドリンクの販売コーナーに行き、メニュー表を眺めた。
ファルコ「お前ら、何にすんだ?全員で並ぶと”密”になるからな、俺が買ってくるぜ。因みに、俺はコーラと醤油バターだ」
デデデ「それはありがたいゾイ。俺様はカルピスとカレーゾイ」
メタナイト「私はそうだな・・・珈琲と塩」
ゲムヲ「オレンジトキャラメルデオ願イシマス」
ファルコ「わかった。代金はちゃんと寄越せよ」
現金管理のシビアさはリーダー譲りだなと呆れつつも、3人はファルコにきちんと代金を渡す。
それを見送った後、ゲムヲはデデデにバレない様に、メタナイトにこっそり耳打ちした。
ゲムヲ「メタナイトサン、後デポップコーンヲ分ケッコ致シマセンカ?」
メタナイト「!・・・はっ、いや、しかし・・・」
メタナイトは一瞬嬉しそうにしたが、すぐ正気に戻って躊躇った。
彼は余り、自分が甘党である事を公表したがらない。
イメージに合わないし、ギャップを晒す事によって「可愛い」と言われるのも好かないのだ。
ただでさえ、仮面の下の可愛い顔面はコンプレックスだと言うのに。
だから、この事は菓子を作るリンクだとか、絶対に馬鹿にしてこないカービィだとかしか知らない。
するとゲムヲは、メタナイトを安心させるようにこう言った。
ゲムヲ「ボクモショッパイモノガ食ベタイノデ。ソレニ、甘イ物オ好キデショウ?」
メタナイト「!何故、それを」
ゲムヲ「様子ヲ見テイレバ分カリマスヨ。別ニ恥ズカシイトカ似合ワナイトカモ思イマセンシ・・・デ、ドウシマス?」
メタナイト「・・・わかった」
ゲムヲ「ヤッタ」
そこに、全員分のドリンクとポップコーンを買って戻ってきたファルコと、二人がコソコソ話をしているのに気付いたデデデも加わる。
ファルコ「お、なんだ二人共。揃って取引なんざして。俺らも混ぜろよ」
デデデ「そうゾイ、キャラメル俺様も食べたいゾイ!」
ゲムヲ「フフ、ソレデハ皆デ回シナガラ食ベマショウカ」
メタナイト「それ、映画に集中できるのか・・・?」
メタナイトはそう不安に思ったが、最終的に4人は無事にゆきに感想を伝える事ができたという。
あとがき
りなりん様より、「メタナイトと、ファルコと、デデデと、ゲムヲの4人だけが出てくるお話が見たいです!(内容はポップコーンのお話)」です。
今回そんな語る事ないんで話の裏話だけ。
タイトルは皆の注文聞いた時のファルコの内心。
ポップコーンとジュースは実際に映画館で打っている物をチョイス。
15分前云々はこの間の「セイバー+ゼンカイジャー」鑑賞時の実体験。
ごめんなさい、映画館の人と通行人の内踏んだ方。
持ち帰りはりなりん様のみです。