PAST
□SHORT PAST
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「人の姿っていうのもいいものねぇ」
隣の青い髪の女が呟く。
同意しかねて訳を尋ねると、女はくすりと笑った。
「貴方はどっちでもカッコいいって事よぉ」
「・・・お前も」
「?」
「悪くない」
「・・・うふふふっ」
女は満足げに笑って、おれの肩に頭を乗せてくる。
「熱いだろ・・・」
「私は寒いのぉ」
女は尚もすり寄ってくる。
いつもの事と割り切って、おれは空を眺めた。
空には、いつもと変わらずに、点々と星が浮かんでいた。
隣にはいつもこいつがいる。
悠久ともいえる命を持つおれ達には、そんな日々が永久にあるものだと思っていた。
・・・あの、滅びの日がくるまでは。