PAST

□SHORT PAST
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「・・・は?」


彼は、光から現れた私の姿を見て呟いた。


まるで訳が分からない、というように。


それでいて、私を軽蔑するかのような。


「何で、ニンフィアに進化しねーんだよ!グレイシア何て欲しくなかったのに!」


私の名前はグレイシアというらしい。


彼と共に旅をする中で、確かそんな名前のポケモンを見かけたきがする。


ニンフィア、というのも、何処かで見た。


少し形は似てるけど、全然違うポケモン。


私はどうやら、彼の望む姿になれなかったようだ。


もしかしたら、この姿では役に立てないのかも知れない。


それでも、私は今まで彼に着いてきた。


その意思は変わらない。


戦えるよう、役に立てるよう、頑張るからー。


そう伝えようと思って一声鳴いた。


「くそっ、この役立たず!」


次の瞬間、私は思いっきり中に蹴りあげられた。


地面に腹を強打して、咳き込む。


しかし彼は、私の腹を更に蹴った。


「死ね!」


ー止めて・・・


「死ね!!」


ー痛いよ・・・


「死んじまえ!」


ーお願い・・・!


必死に叫んだが、彼はどうしてもやめてくれなかった。


そのうち、段々前が見えなくなってきてー


最後に何か、きらりと光る物が映った気がした。
































「・・・そうですか・・・わかりました、お願いします」


うっすらと、誰かの話す声が聞こえた。


ぼんやりと目を開けると、いつの間にか見たことのない場所にいた。


「頑張れ、もうちょっとだ」


優しい蒼い目が視界に映ったところで、私は再度眠ってしまった。
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