SHORT
□SS集
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コウ「んでさ、ここをこうして、どーん!ってやれば隙を作りやすいと思うんだけど」
現在時刻、9:50。
朝から珍しく、リュウソウジャーの面々が龍井家に勢ぞろいしている。
マイナソーと戦うための戦法を皆で考えよう、とコウが集めたのである。
そのコウの案だが、面々からジェスチャーがわかりづらいだの、擬音で表すなだの散々な言われようであった。
なんだよ〜、と不満そうに呟くコウだったが、ここである異変に気が付いた。
メルトが妙に静かなのだ。
いつもなら、他のメンバーの比にならない位、あれこれ難癖をつけるにも関わらず、だ。
アスナ「どうしたの、メルト。なんかそわそわしてる」
同じく異変に気付いたアスナがそう問うが、メルトは誤魔化すようにそっぽを向いてから、
メルト「な、なんでも、ない」
と下手に誤魔化した。
それで感づいたトワが、大事な用かな、と茶化すと、若干ムキになってなんでもない、と言いなおす。
大事な用、というワードを聞いて、思い出したかのように、コウが問いかける。
コウ「そう言えば、10時に誰かと待ち合わせしてるって言ってなかったっけ?」
バンバ「・・・用があるなら先に言え」
メルト「・・・済まない」
カナロ(・・・なんだ、この嫌な予感は・・・)
その”嫌な予感”は当たっているであろうことを、彼は自覚していた。
・・・認めたくなかっただけで。
アスナ「いいの?待ち合わせ場所に行かなくても」
メルト「問題ない。ここだからな」
この会話の間に時刻は進み、現在9:57になっていた。
すると、メルトのリュウソウチェンジャーが着信音を鳴らし始めた。
それに椅子から落ちそうになるほど驚いてから、若干焦った様子で仲間たちに背を向け、受信ボタンを押した。
メルト「も、もしもし?」
『あ、メルトくん?』
通話の相手は、やはりオトであった。
オト『ごめんなさい、道に迷っちゃって・・・まだ、地上の地理に慣れて無くて・・・』
メルト「わかった、直ぐ行こう。付近の特徴を教えてくれないか」
オトから一通り周囲の様子を聞いた後、メルトは通信を切り、地図を開いた。
それをざっと見て、一か所を指さし、ここか、と呟いた。
メルト「済まない皆、俺は席を外させてもらう」
そう言って、メルトはコウの返事も聞かずに飛び出していってしまった。
数秒後、カナロが椅子から立ち上がる。
カナロ「・・・追うぞ」
コウ「へ?」
トワ「まあ、どうせ相手は・・・」
アスナ「オトちゃん!?」
バンバ「やれやれ・・・」
その後、10:00丁度に彼女を見つけ出したメルトにオトが抱き着いているのを、カナロは遠くから悔しそうな目で見ていたそうな。
あとがき
メルオト可愛いっすね(唐突)
お題で妄想しがいのあるものが出て来たので、セットものとして書いていこうと思います。
リュウソウジャー、CPは誰を推すべきか長らく悩んでいましたが、オトちゃんのおかげでまず一人、誰とくっつけるかの決着がついた気がします。
オトちゃん可愛いし、押しが強いの素敵だし、メルトがまんざらでもないのまじ好き。
まあ、最初のあれは衝撃的でしたがw
因みに、次回はデート前半のお話。
皆でメルオト推そうぜ(o^―^o)