SHORT

□SS集
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ふああ、と盛大に欠伸をしながら、映司が屋根裏から降りてきた。


もうアルバイトではなくなっていたが、仕事が休みだったためクスクシエにやって来ていた比奈は、映司の姿を見た途端にぱあっと笑った。


比奈「映司君、帰って来てたんだね!」


映司「あれ、比奈ちゃん?偶然だね!」


お互い久方ぶりの再会だった。


二人はまるで子供のようにはしゃいでいた。


知世子は何とも微笑ましい二人を見て、若いっていいわねぇ、と笑い、二人に気付かれないよう店から出た。


勿論、”CLOSE”の表記は忘れずに。


映司「そう言えば、デザイナーとしての就職先見つかったんだって?良かったね!」


比奈「うん!映司君のおかげだよ」


映司「ええ、俺、何かしたかな?」


比奈「映司君がたまに電話かけてくれるから、何と言うか、元気出た」


だからありがとう、と比奈がはにかんで笑うと、映司は気恥ずかしさからか頬を掻き、電話位いつでもするのに、と呟いた。


映司「そうだ、お祝いに何かできる事無い?いつも俺もらってばっかりだからさ」


比奈「え?うーん、やって欲しい事・・・?」


比奈は暫し悩んだ。


そして、何か思いついたかのように手を打ち、いたずらっぽい笑みを浮かべる。


比奈「何か恋人っぽいことして欲しいなぁ」


映司「ええ!?」


比奈「どう?」


映司「それ俺にはなかなかの難問だよ?うーん・・・」


今度は映司が暫し考え込んだ。


比奈が期待の眼差しで映司を見上げた。


映司(うう、自分で言っといて何だけど、凄いプレッシャー・・・)


映司は何を思ったか、いきなり比奈の体を軽く押して、壁に背を付けさせた。


その状態で、自らの両腕の檻に彼女を閉じ込めた。


詰まる所、”壁ドン”である。


比奈「・・・」


映司「・・・」


比奈は最初、映司がなぜこの行動に至ったか全く理解できず、きょとんとしていた。


が、正直なところ、この場にその答えを出せるものは居ない。


何故なら。


映司(・・・この後一体どうすれば・・・!?)


本人が分かっていないからである。


取り合えずどっかの恋愛ドラマでやっていた”壁ドン”をやってみたはいいが、ここから先どうするべきか、恋愛に疎い映司が知らないのも無理はなかった。


絶賛困惑中である。


時間はかかったが、そんな彼の状態を察した比奈は、ふふ、とほほ笑んだ。


比奈「映司君ってば、この後どうするか考えてなかったでしょ」


映司「え!?あ、うん・・・」


比奈「どうするか教えてあげようか?」


映司「え、それどういう・・・!」


映司が驚きの声を上げるより早く、比奈は背伸びして、映司の唇に自身のそれで軽く触れた。


比奈「ふふ、今日は私の方が一枚上手だったね」


そう言って満面の笑みを浮かべる比奈に、最早完敗を認めるしかない映司。


映司「もう、比奈ちゃんずるいって・・・」


二人は知らない。


その光景を、妹を迎えに来ていた信吾がこっそり見ていて、ほっこりしていた事を。
































あとがき


「貴方は時間があるなら『壁ドンした方がテンパっている映比奈』をかいてみましょう。幸せにしてあげてください」というお題が出たので、幸せほんわかちょい甘な映比奈を書きました。


ジオウ9話が待ちきれません。


ホント、ライダーの関わらない歴史でも見事に巡り合うとか、もう運命なんですねそうなんですね。


ヒロイン初客演が比奈ちゃんとか最高。


神、いや王を盾にしてサプライズ登場するのいい。好き。


もう映比奈見たすぎて既に日曜が待ち遠しい。


最近は銀魂実写とゼロ一攫千金ゲームの影響でドラマにはまってるので、ドロ刑(だっけ?)と今日から俺は!!も見たいですが、何よりもやっぱ映比奈が楽しみ。


あ〜もう早く見たい〜!
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