PAST
□純愛抱く蒼の天馬
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ファントムとの戦いから数日が経ったある日、主は数日ぶりに眠りから覚めた。
因幡兎による診察を受けた後、暫く眠った主は、目を覚ました後どこかへ出かけようとした。
だが既に外は暗い。
屋敷の人間は完全に寝静まっていた。
しかし、主は完全に目が冴えてしまい、眠れなくなってしまっていた。
故に、暫し雑談の応酬を私としていた。
しかし突然、主が暫く黙り込んだ。
そして、唐突にこんな事を言いだした。
マルス「ねえスカイ。一つ質問していいかな」
スカイ『・・・何でしょう』
マルス「君さ。僕の事嫌いでしょ」
温厚な主にしては鋭い質問に、私は目を見開く。
マルス「なんかさ・・・気に食わない、というか、そんな感じだよね」
スカイ『・・・貴方、意外と感がいいんですね』
私がそう言うと、主は不満げに褒めてるのそれ、と返してきた。
マルス「無理に聞くのは気が引けるけどさ・・・理由がわからないまま嫌われてるのは気分が悪いんだ。・・・教えてくれないかな」
主の言葉に、私は納得した。
確かに、理由が不明なまま一方的に嫌われるのは気分が悪い物だ。
そして、一方的に嫌っているこっちに完全に非があるのだ。
私は溜息をつく。
スカイ『なら聞いて下さいますか。”禁忌”を犯しかけた、私の話を・・・』