短編

□会計ですが?
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「ふん。お前がどうあがこうがこの学園の生徒は俺を選んだ。それだけだ。」

いやホント、何も考えずに選挙とかすんのやめませんかね。
顔だけの無能がこうして集まってしまうんですから・・・。

「はぁ、すみません。僕も人間なんで仕事全部丸投げしていいですか?」

「はぁ?仕事するっていう価値しかないやつが仕事投げ出すとか〜。自分をそんな無価値にしたい?」

「あなたたちのための価値なら喜んで焼却炉に放り込んでくるんですけどね。それでは僕を推薦してくれた先生方に申し訳が立たない・・・と思ってたんですけどここまで価値のない組織にいたとしても僕が損するだけですからいっそ生徒会全員が仕事投げ出してリコールしざるおえない状態を作ってしまえば僕はこのくっだらない茶番を終わらしたいんですよね。別に生徒会に入りたかったわけじゃないですし、誰かさんらみたいにイケメン好きでもないですし?ここにいても僕はなんの得もしないんですよ。やめていいですか?いいですよね?てか、所詮庶民の会計が一人抜けたところで万能な皆さんは痛くもかゆくもないですよね?だって僕にあそこまでいったんですからね?じゃあ僕は風紀に入ろうと思っているので失礼いたします。少しの間ですがお世話になりました。ありがとうございました。」

僕は言うことだけ言って生徒会室を出る。
今までしりぬぐいしていたのに感謝の言葉もないのだから僕が切れるのも仕方ないと思うのだが・・・。
僕だってそれなりの感謝ぐらいされたいですよ。
だって菩薩でも何でもないんですから。
さて、これから生徒会はどうなるんですかね。
このままリコールされるのか少しは考え直して仕事をするのか。
まぁどちらにせよ僕はもう生徒会に戻る気はないんですけどね。
だってあのままいたら僕は転校生君を殴りかねないですから。
殴っていいならあのままいますよ?
と、話している間に風紀室につきましたね。

「失礼します。神崎です。」

「神崎?」

僕が風紀室に入るとある男子生徒が近づいてきた。
この人は同室者兼クラスメイトの久島透馬(クドウトウマ)。
僕が生徒会入りしてからというものよく心配してくれる人で僕も親友だと思っているぐらいに仲がいいです。

「透馬さん、今日は少しお話が・・・。」

「ど、どうかしたのか?」

「いえ、大した問題ではないのですが・・・。僕生徒会をやめたので風紀委員になろうかと思いまして。」

「はぁ?!」

「神崎!それは大した問題だぞ!?」

驚いた透馬さんの後に声を上げたのは風紀委員長の東子翔太(アズマネショウタ)さん。
ソファで休んでいたらしく少し寝癖がついている。

「どこが問題なのですか?」

「いやいや、あの生徒会でまともに仕事してたのはお前だけなんだぞ!?」

「はい、それがどうしました?」

「あのな、神崎。お前までいなくなったらこの学園が機能しなくなるんだよ。いや、お前が風紀委員になるっていうのはうれしいんだがな。お前なら今開いてる副院長の席に入れてもいいと思っているんだがな?生徒会がだな?」

「僕頑張りました。」

「うん、神崎は頑張ったよね。」

そういって透馬が僕の頭をなでる。
透馬は弟が多いらしくて僕を子ども扱いしてくる。

「東子さん、僕頑張ってませんか?ダメですか?僕・・・頑張った・・・・です、よね?」

「あ、あぁぁあ!泣かないで!ね?神崎、もう大丈夫だから!」

「なっ!?か、神崎泣くな。わかった!もう生徒会のことはいいから!な?久島と一緒に風紀を頼めるか?」

「・・・ん。はい・・・。」

人前で泣くなんて何十年ぶりでしょうか・・・。
泣くこと自体久しぶりかもしれません・・・。

「久島、神崎に風紀のことよろしくな。俺は生徒会に行ってくる。」

「わかりました。神崎、こっち。」

「はい。あの、お世話になります・・・。」

「うん。俺が傍にいるから神崎は無理しなくてもいいからね。」

「ありがとうございます。」

僕はそのあと風紀の主な仕事教えてもらいました。
喧嘩の仲裁とかいろいろありましたが僕には無理そうだったので風紀が苦手とする書類を担当することになりました。
しばらくすると東子さんが帰ってきました。
なにやらとても楽しげでした。
何があったのかと聞いても教えてくれませんでした。
でも、久島にはわかったみたいで「よかったな。」といって頭をなでてくれました。

数週間後生徒会が機能し始めました。
どうやらやっと危機感というものを持ち始めたようです。
僕は少しうれしかったです。
会長たちがまた一緒に生徒会をやらないかと聞きに来てくれたので。
だけど、今の場所も結構気に入っているので丁重にお断りさせていただきました。
まぁ、もう少し頑張ってくれれば戻らないこともないかもですが、ね。
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