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□僕のもの
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深い愛。



深過ぎる愛は


やがて狂気へとかわる。





私はまだ、愛さえも知らない子供だった。



『シノア姉さん』



その言葉に、シノアは嫌な顔を向けた。



「かなみちゃん、その呼び方やめてくれません?むず痒いんです」



姉のことをこう呼ぶのは普通ではないかと思う。


でも、シノアちゃんは気に入らなかったらしい。


『じゃあ……シノアちゃん』



そう呼ぶと、先ほどとは変わって可愛らしい笑みで


「なんですか?かなみちゃん」


『外へ遊びに行こう!』



そう言うと、シノアちゃんはポカンとして


「あ、あは〜…………かなみちゃん、一度世界が崩壊したこと知ってます?」



『当たり前でしょ』


「ならどうしてそんな言葉が出てくるのでしょうか…。今は外は危険です。絶対ダメです」


シノアちゃんはめっのポーズをする。


子供扱いされている……。



『シノアちゃんは鬼呪装備持ってるじゃん。私を守ってよー』


「あ、あのねぇ……まだこれ、使いこなせるまでいってないんで。……というか、使いこなせてても外はダメですからね!」



ダメの一点張り……。


仕方ない。


『わかったよ……』


くるりと部屋の扉の方へ向かう。



「ちょ、どこへ行くんですか?」



『ちょっと屋敷の中を散歩してくる!シノアちゃんは寝てていいよ!』



そう言って、扉を開けて廊下へ出た。



シノアちゃんは追いかけて来なかった。


もー、という声が扉の奥から聞こえただけ。


まぁ、それの方が都合がいい。



私は、屋敷の外へ出ようと玄関へ向かった。



だが……



玄関にはもちろん使用人がいて、いわば見張りがいる。


私のような子供が出て行くことなんて許されない。



『どーしよっかなぁ……』



呪符をつかって、使用人2人くらいならまぁ……気絶させるくらいは……「おい」



急に後ろから呼びかけられ、私は飛び上がるほどに驚いたのは言うまでもない。







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