ばんがいへん

□手錠
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今日は、クローリーがフェリドさんに呼ばれ、サングィネムに来ていた。


基本的に、二人の話は聞けない(極秘情報だとフェリドさんに言われた)ので、時間を潰すためにミカ君の部屋にいる。


血を吸ったり、変なことをすれば殺すなんて言われているミカ君には本当迷惑な話だと思うが…


『ごめんねー。今日も相手してもらっちゃって』


「別に。僕も特に用はなかったし」


無愛想なようで、ミカ君はとても優しい。

『ありがとねー』


ミカ君のベットに座り、他愛ない話をする。

人間の頃の話や、最近あったこと、ミカ君の都市防衛隊の話はついつい聞き入ってしまう。



そんな時…


ガチャ……


と、ミカ君の部屋の扉が開く。



クローリーだろうか?


私は目線を扉の方へ向ける。


「やっほーかなみちゃんー。ミカ君といちゃいちゃしてるー?」



入ってきたのはクローリーではなく、フェリドさんだった。


隣に座って話をしていたミカ君は、私の前に腕を伸ばし、フェリドさんを警戒した。


「何の用だフェリド。彼女には手を出すなよ」


「あはー……かなみちゃんが大好きなミカ君の手助けをしてあげようとね」



ニヤリと笑うフェリドさん。

あ……これは……

危ない笑いだ。


「かなみちゃんー手を貸して?」


フェリドさんは私に手を伸ばした。


「出すなよ。かなみ」


ミカ君は左手を私の前に伸ばしたまま、右手で剣に触れようとした。


だ、出すものか……
フェリドさんに手を出したら最後、何されるかわかったもんじゃ……


「じゃあミカ君からでいいや」


フェリドは、ミカがかなみを庇おうと伸ばしていた腕を掴む。


「っ……」


ミカは剣を抜こうとした。

だが、それよりも先に……



カシャン……



と金属音が響く。


「次はかなみちゃんねー」


フェリドさんは私に手を伸ばし、膝の上にあった私の手を掴む。


「フェリド!!何してっ……」



私は振り解こうと手に力を入れるが、勿論、フェリドさんの力に勝てるわけがなかった。



カシャン……



私の右手首に、冷たい金属の感覚が走った。




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