ばんがいへん

□名古屋決戦
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今日はなんだか……
よくないことが起こりそうな予感がした。


かなみは市役所から外へ出ることはクローリーに許されていない。
それは、外にはヨハネの四騎士がいたりして危ないから……

もし私が、日本帝鬼軍とかで鬼呪装備を持っていたら話は別なんだけど……


そう思いながら、市役所の廊下を歩いていた。

なんだが…外が騒がしい気がした。

バタバタバタッ



誰かがこちらへ来る。

クローリーじゃない……
チェスさんやホーンさんでもない……

私は一歩後ろへ下がる。


どうしよう……
殺されたら…


曲がり角を曲がった相手が、私の視界に飛び込んできた。


「!……一人誰かいるぞ!」

「一人なら問題ない!殺せ!」


私は目を見開く。

人間だ……


日本……帝鬼軍……


どうしてこんなところに?


「!……人間か?」

「まさか!……なんでこんなところに?保護するか?」

二人の男は私へ近づいてきた。


でも……名古屋市役所内にどうして日本帝鬼軍が……



「君、大丈夫か?もしかして、吸血鬼に人質に……」


『ちがっ……あの、私は放っておいていいので……えっと』


後ろに一歩下がる。


「放っておけるわけないだろう!ここは貴族の拠点だぞ!早く来るんだ!」


腕を掴まれた。


その時

「その子に触れないでよ」


ザシュッ……


「ぐはっ……」
「うっ……」


目の前で二人の男は倒れた。




『!……』


「大丈夫?…今ちょっと外騒がしいから、部屋に避難しといてくれない?」


クローリーは剣を鞘に戻し、私に近づいてきた。


私は……

目の前の男から目を離せない。



『……死んだの?』


「…………たぶんね」


人が死ぬところを見たのは初めてじゃない。


子供の頃は友達を何度もヨハネの四騎士に殺され、大事だった人も殺された。


そんなのを見てきたから……

大丈夫なはずなのに……



「かなみ?」


クローリーが私に手を伸ばしてきた。


パシッ……



私はその手を……


弾いてしまった。





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