short(旧)

□◎屈しない心
1ページ/2ページ

仲間が殺された。



勝てるわけなかったのだ……



こんな30人ほどの部隊で……



この第十三位始祖、クローリー・ユースフォードに……





『くそ……くそ……』




私の鬼呪装備は、今、手から離れ10pほど離れたところに小さくなった状態で落ちている。



あれに……



あれにさえ手が届けば……




私は10p先にある鬼呪装備を掴もうとした。



その時




「あれ?まだ生きてたんだ」




ギュッ……




『っ……』




その手を踏みつけられる。



顔を上げれば……


クローリー・ユースフォードだ。





「死んだフリしとけば助かったのにね」



彼は足に力を入れた。



『あっ……くっ…………う』




手の骨が粉砕しそうだ。



既に折れている気もする。




「はは、痛そうだね。……君だけ助けてあげようか?」



そう言ってクローリーは私の手から足を退け、しゃがみ込む。


髪の毛を掴んで私の顔をあげた。




「第一、その鬼呪装備を掴めたとしても……君は僕に勝てていなかったけどね」



『………私は勝てなくても……時期に来る……グレン中佐が……「勝てないよ。所詮家畜。……僕たち吸血鬼に勝てるわけないだろう」




もう片方の手で、私の首筋に爪をたてる。



「今、この首をパックリと切りつけて……血を啜ってあげてもいいんだよ?」




『……すればいい。私は…死なんて怖くない』




そう睨みつければ……




「あっそ」


クローリーは冷たい表情をしたかと思うと


手を動かした。



ビッ……




『っ………………』




首に痛みが走る。




一瞬……



殺されたのだと目を見開く。





「ふっ……怖がった顔は悪くないね」



『…………え?』




クローリーは指についた血を見せ



「少し切っただけだよ。これくらいじゃ死なない」




その指をペロリと舐めた。



「……血も悪くない」



そう言ってクローリーは、首筋に牙を立てた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ