short(旧)

□◎お前を守るのは俺
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『君月士方君』



「なんだよいきなり」





『最近頑張ってる君に、先輩が手料理を作ってあげました』



コトンと、彼が座っているテーブルの前にお皿を置く。




君月くんは、私のお皿を見て




「……これのどこが料理だよ。下手くそ」




『なっ……彼女の手料理をっ』



「まずなんだよこれ」


『カレー!』


「え!?」


『それくらいわかってよ!』




君月くんは、ため息をついたあと。



「かなみ、一緒に作るぞ」




『っ……先輩の私に生意気な…』




「先輩って……。俺お前より強いと思うけど?」




ニヤリと笑い、完全に馬鹿にしてる!!




「まず鬼呪装備がなぁ。……俺は黒鬼シリーズだし?差は歴然だろ」



『き、キャリアが違うよ君月くん』



「んな変わんねぇだろ」



『ふふふ、3年も違うんだよ?十分だよ』



私は彼に向かって3本の指を突き立てた。


「はぁ……アホらし」



『っ……。ま、君月くんが吸血鬼に捕まりそうになったら私が助けてあげるよ』



ふふん、と鼻を鳴らせば。




「調子乗ってんじゃねぇよ」




ドンッ





気付けば壁に追いやられていて……



『き、君月くん?先輩の私に……「うるせーよ」




唇を塞がれ、言葉は遮られてしまった。



『んっ……』




キスでわかる。



この人はとても優しいのだと。





「お前を守るのは俺なんだよ。調子乗んな」



『君月くんと私…部隊が違うからなかなか戦場では会わないよ』


「っ……じゃあ俺の前以外ではやられんな」


再びキスをする。




『また無茶なことを……』


「んだよ?かなみ先輩は簡単にやられんのかよ?」



『そういう時だけ先輩呼びして』




私は君月くんの顔を両手で覆う。




「やられるわけないでしょバーカ」



精一杯背伸びをしてキスをする。




「はっ……可愛げない彼女」



『あら?やられたほうがいいの?』



「……やられんじゃねーよ」



ギュッと抱きしめられる。




「…けど……もし捕まっても……俺が絶対助けてやる」



頼もしい後輩に育ったものだ。



なんて言ったら怒られるかな。



「お前を守るのは俺……だ」



『ん……君月くんに守ってもらうよ』





私たちは部隊は違うけど……



きっと離れていても、彼は駆けつけてくれる…なんて思っちゃうんだ。





二人で絶対に……


生きていこうって
 

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