request(旧)
□構って欲しくて
4ページ/5ページ
「……にしても……僕の服を着ちゃうなんてほんとかなみは可愛いね」
『っ!!脱ぎます!!脱ぐから離して!!』
「嫌」
『!?!?』
クローリーは私をひょいと抱き上げ、ソファーに優しく沈めてしまう。
『え……ちょ……クローリー?』
「相手してほしいんだろ?……いっぱいしてあげるから覚悟してね」
そう言って、首筋にちゅっとキスを落とす。ぞくんっと身体が震え、期待しだすように全身が熱くなる。
『やっ……待っ……「待たない。こんな可愛いことされて……待てるわけないだろ」
クローリーはそのまま唇にぱくりと噛みつくようなキスをした。そして、何度も繰り返される甘いキスに、だらしなく口が開いてしまう。そこに、素早く入ってくる舌が私の舌を簡単に捕まえてしまった。
『っ……ん……』
漏れるのは甘い声だけで、後の言葉は全てそのキスに飲み込まれてしまう。
『…………クローリー……』
「ん?」
『貴族のお仕事あるのに……ほんとごめんなさい……』
クローリーの顔をおずおずと見ると、彼は口角を小さく上げて優しく私の頭を撫でる。
「何よりも大事なものを優先するに決まってるだろ。…貴族会議だとか、フェリド君に呼ばれるだとかで向こうに行かなきゃ行けなくても、かなみが行くなって言えば僕は行かないよ」
『……そんな我儘なこと……言いたくないんだけど……でも……』
言いたくないけど、いつも心で思ってしまう。クローリーにずっと側にいて欲しい。離れたくない。そんな風に思ってしまう面倒な女なのだ。
クローリーはそんな私に、再び優しいキスをしてきた。
「我慢しないで言ってくれればいいよ。僕は……君が望むなら、なんだってしてしまうほど君に惚れてるんだから」
『っ……のわりには……意地悪するよね……』
「僕に意地悪されるの……嫌いじゃないだろ?」
『っ……ドS!!』
「あはは、こんな優しくしてるのに酷いなー」
クローリーは、ちゅっと額にキスを落とす。そして、今度は頬、最後に唇にキスを落とした。
「さ……ソファーじゃ嫌だよね?ベットに行こうか」
クローリーはそのまま私を抱き上げる。
『えっ……えぇ!?』
「脱ぎたいんでしょ?僕がその服脱がしてあげるよ。……本当はもっと見てたいんだけどなー」
『えっ……いや……自分で脱……』
クローリーはやっぱり、私に意地悪をしてる時が一番楽しそうな笑みを浮かべる。
ベットに運ばれ、私を追い詰める彼の顔なんて本当に楽しそうだ。
ただ、相手をしてもらえることが嬉しい私は、なんだかんだそのクローリーに好き勝手されてしまい……
幸せな朝を迎えるのだった。
【END】