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□永遠の愛を貴方に(続編)
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すると、その様子に気付いたクローリーは小さく笑う。
「無理矢理襲おうなんて思って無いよ」
クローリーは服のボタンを2〜3個開け、肌を出してから、わたしをそっと抱き締めた。
『いやっ……んっ……』
唇に、彼の露わになった肌が当たる。先程生まれた吸血欲求のせいで、思わず口を開けそうになったが、固く閉ざした。
「吸っていいよ?……かなみにならどれだけ吸われても構わない」
『い……ら……ない』
嘘だ。
今すぐにでも、この綺麗な肌に牙を突き刺し、そこに流れている血を吸い上げたい。血の味で口いっぱいにしたい。
そんな思いが頭を駆け巡っていた。
「無理しないでいいよ。渇いてるんだろ?」
クローリーは抱き締めたまま、私の頭を撫でる。
「かなみは人間の血を頑なに飲まないから……僕がこうしてやらないと生きられない。僕なしじゃ生きていけない身体だ」
『違う……違……う……』
言葉を発するたびに、口が開いて、牙を突き刺しそうになる。ぐっと我慢するが……どんどんその抑制がきかなくなってくる。
『離して……お願い……』
「嫌だ」
クローリーは、強く私を抱き締めた。乾いた身体に、これは拷問だ。ジワァっと涙が滲む。
『やめ……吸っちゃ……う……やだ……吸いたく……な……』
口が小さく開いて、牙が露わになる。
「我慢しなくていい。さ、いっぱい吸いなよ」
クローリーは私の頭を掴み、グッと力を入れて自分の肩に近付けた。
ツンっ……と牙が当たる。
それだけで、その尖った先で彼の肌を傷付けてしまった。その瞬間、ふわっと甘くて芳醇な血の香りが鼻を通り抜ける。
もうそれで…
かなみの歯止めは効かなくなってしまった。
口を開け、彼の肩にがぶりと噛み付いた。
「っ…………はは、やっと吸っちゃったね」
牙を突きさせば、そこからどくどくと血が流れ出してくる。それを、かなみは勢いよく吸い上げる。
「……美味しい?」
クローリーは優しくかなみの頭を撫でる。
かなみは、ただクローリーをギュッと抱き締め、涙を流しながら彼の血を吸った。
私は
本当に彼なしでは生きられない身体になってしまったんだ。
血が喉を通り抜ける瞬間がたまらなく気持ちいい。こんな感覚、初めて味わった。
悔しいのに、欲望が満たされる感覚。辛いのに、もっと吸っていたいと思う感覚。嫌いなのに、離したくないと思う感覚。
全てが矛盾していて、胸がキュウっと苦しくなった。
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