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□甘えてみせて
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視界が急に明るくなる。


目の前にはクローリーがいて、彼の姿をようやく見ることができてホッとした。


だが、クローリーはニヤリと笑って私の後ろに回り込み


ギュッと抱き締める。



『え…クローリ……うわっ』


再び片手で目を覆われ


「こっちの方が感じやすいみたいだから…」


耳元でそう囁いてくる。


『っ……そこで喋らないで……』


身体が固くなる。

緊張がMAXに到達する。


後ろから抱きしめられているのに、真っ暗で……耳元からは彼の声……


「かなみ……力を抜いて」


今度は反対の耳からそんな声が聞こえ……


カクンっと思わず力が抜けた。


クローリーの腕に身体が支えられる。
それを確認したのか彼は首元に牙をくっ付ける。


「さ……吸うよ……」



力が抜けていた身体に、そして先程舐められて過剰に反応してしまったそこに……


ズブっと牙が突き刺さった。


『!?!?!?』


声にならない声が漏れる。


今まで感じたことのない快楽の絶頂が、今まさに身体を突き刺した。


『やっ……だ!!』


暴れようとしたけど、力が抜けて思うように動けない。


その間に、また深く、牙が奥へと刺さる。



そしてその場所からゆっくりと、血が抜きとられる感覚に変わる。


痛い……

痛いはずなのに……


痛いと感じるはずの吸血はもう、快楽以外の何者でもなかった。



『ダメ……クローリー……抜いて……変だよ……頭が……おかしく……』



その時、不意に目隠しは無くなり、牙がスルリと抜けてしまう。



『あ……』


そのまま、ベットに両手をつく。



「これ以上吸ったら辛い?なら止めるね」


後ろでそんな声が聞こえる。


頭がクラクラするが、これは貧血だからじゃない。

ぼーっとして身体が熱い。

血が有り余っていて、もっと吸血されたいと身体は牙を欲していた。


『……いや……クローリー……もっと……』


「もっと?」


もう……我慢できない……っ


私は思わず振り返り、クローリーに抱き着いた。


『もっと吸って!身体が熱くて……堪らない……っ』



明らかに自分が恥ずかしいことを言っているのに、もうそんなことどうでもいいって思うくらい…身体はどうにかなっているようだった。




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