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□甘えてみせて
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「君は力が入り過ぎなんだよ。……もっと楽にして、固くならずに……って言ってもなかなかしないんだけど」


『わかんないよ……。いつも、どうしても緊張しちゃっ……』


かなみはハッとして口を噤む。


「え?なに……緊張してたの?今更?」

クローリーはきょとんとした顔でかなみを見つめる。


『っ……だって……やっぱ……好きな人にそんな近くまで来られたら……恥ずかしい……し…』


あぁっ!
言いたくなかったのに!


かなみは真っ赤になりながらクローリーを見上げる。


「……それをちゃんと言ってくれれば、優しく緊張を解いてあげたのに」


クローリーは困ったように笑い


「でも、それを隠して意地を張っちゃうのがかなみだよね」


かなみの頭を優しく撫でる。


「いいよ。優しくするから、今から僕に身を預けて」


そのまま、クローリーはかなみの視界を奪った。


『っ……』



クローリーの大きな手が、かなみの目に覆いかぶさる。


視界が奪われたかなみは、一層身体を固くした。


「怖がらなくていいよ。…これから君の一番いいところを見つけてあげるから」


真っ暗な中、耳元でクローリーの声が響く。

それだけでも、ぞくんっと感じてしまう程、視界が奪われたことで感覚が研ぎ澄まされていた。


クローリーは、片手でかなみの目を覆ったまま、服のボタンを2〜3個外す。


『ち、ちょ……』


そして、そのまま露わになった肌に……

かなみは新たな刺激を感じた。


『ひゃっ……!?』


肩に舌の感覚を感じ取る。

どうやら……舐められたようだ。


『く、クローリー…?』


見えない不安で、声が震えてしまう。

すると、今度は反対の肩に同じ感覚を覚えた。


『っ……』


視界が奪われた状況では、彼の舌の感覚がどうもはっきりと分かって恥ずかしい。

時折、チュ…っとキスの音を響かせるため、余計に身体は熱くなる。


そして、彼の舌が、鎖骨の少し上あたりの首筋に触れた時



びくんっ……


と、過剰に反応してしまった。



『っ……』

「……ここか」


クローリーはぽつりとそう言うと、そこにチュッとキスを落とした。


『あっ……』


声を出すつもりなんてなかったのに、思わず声が漏れてしまう。


「……いいね。……ここから吸おう」


クローリーの声が、また耳元で響いた。




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