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□甘えてみせて
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「ちょっ……泣くのは反則だろ」
クローリーは泣いたかなみを見て、今日初めて動揺を見せる。
『うぅ……』
泣かれてしまってはなんだか可哀想な気がしなくもない。
最初の方は泣いたところも可愛いと思っていたが…
クローリーはチラッとかなみの様子をうかがう。
そして、ある事に気付く。
「…………かなみ、一度手を退けてみて」
『…………』
「かなみちゃーん」
『……うぅ……』
「退けろって」
クローリーは、顔を覆っていたかなみの手を掴む。
『っ!』
クローリーの力に勿論勝てるわけなく……
顔を覆っていた手は簡単に上にあげられてしまい……
「…………涙出てないよ?」
▶︎ カナミ ハ ウソナキ ヲ オボエタ
「……ふぅーん。……あっそう……へぇ……」
『あ……いや……あの……』
クローリーは掴んでいた手をギュゥっと握る。
『っ!痛い!クローリー!痛い!!』
「うんと酷くして欲しいんだよね?」
クローリーは黒い笑みを見せる。
その笑い方は明らかに笑ってない……
『ご、ごめんなさい!あのっ……』
「かなみは嘘泣きをするようになったんだね。これから泣いたって止めてあげない」
『ひぃっ……』
その言葉に震え上がるかなみ。
「もう手加減もしないよ。お腹も空いてるんだ。イライラさせればさせるほど痛いから、大人しく……」
その瞬間、かなみはギュッとクローリーに抱き着いた。
『ご、ごめんなさいっ!痛いのは嫌です!優しく吸ってくださいっ』
クローリーの腰に腕を回し、ギューっと強く抱きしめた。
「あのねぇ……」
クローリーはふと、かなみの肩が震えているのに気付く。
どうやら……
今回は本当に怯えているようだった。
「…………はぁ……仕方ないなぁ……」
クローリーは、自分もベットに座り、かなみにそっと寄り添う。
「……わかったよ。優しくしてあげる」
そのまま、かなみの肩を押してベットに押し倒した。
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