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□特別な血
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どうして私だけ?


そう思ったのは、まだ子供の頃の話。地球が滅亡する前、柊真昼が裏切っただのの話をする…前の話。

柊家の屋敷に連れてもらってきたり、そのお庭で遊ばさせてもらえたのは、シノアの友達だったから。


でも、シノアと友達になってしまったことが、私の運の尽きだったのだろうか……


ある時、柊家の長男、時期当主だと言われている柊暮人に目をつけられた。


冷たい目だった。

私を人間として見てる目じゃない……
何か物としてる目……


シノアは私を守ろうとしたけど、柊暮人に勝てるわけなかった。


そして私は……


『っ………………』



ギュルギュルと太い管から血を抜かれていく。
痛い……
気持ち悪い……


『っ……くっ……』


暴れたらまたやり直しだ。
私は必死にその行為に耐えた。

ギュルギュル……
ギュルギュル……と

血がなくなっていけば、だんだん意識が朦朧としてくる。


そして、意識が無くなる手前で、その行為は終了した。


「終わりです。お疲れ様です」


白衣を着た研究員のような人が管を外しに来る。

『いつ……家に帰してくれるの?』

「……研究が終わるまでです」


それはいつ終わるの?

そう聞こうとした時


ギィ


研究室のドアが開き、そこから、私をこんな目に合わせている張本人が姿を現した。


「気分はどうだ?」


優しく気を使っているつもりか?
私は彼を睨みつけ


『早くここから出して。苦しい…もう……耐えられない』

「それは無理だな。柊家の研究にとって、お前の血は重要な研究材料なんだ。……それに、お前を監禁してるわけではないだろう?」


いや……軟禁状態だ。

家には帰してもらえない。
自由に行き来できるのは、柊家の施設内のみだ。



『……帰りたい……』

「我慢しろ。それにお前の回復力は俺たちも驚いている。これだけ血を抜かれても、明日にはまた戻っているんだからな。研究が終われば、俺の下にでもつかせてやろう」


柊暮人は小さく笑い、研究室から出て行った。


あと、どれくらい耐えればいいのだろうか?

私は……家に帰れるのだろうか……


柊暮人が出ていったドアを見つめ、目に涙が溜まった。




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