request(旧)

□君が触れていいのは
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『クローリーってさ……ほんといい身体してるよね』


「反省してる?……ちょ、触りすぎ……」



クローリーの胸板をぺたぺた触っていると、手をガシッと掴まれた。



「僕が触ると怒るくせに、君が触るのはアリなんだ?」


『あ、当たり前でしょ……クローリーの触り方はやらしーもん』


「なんだよそれー」


そして、ふと思い出すように私は



『ミカ君のとは全然違うなー…』



なんてことをポロっと言ってしまった。



「………………は?」



あ……


私の手を掴んでいた彼の手の力が急に強くなった。



「………今なんて?」


『なんでもなーい』


「かなみ……」



クローリーはそのまま、ひょいと私を抱き上げた。



『え、ちょっ……クローリー!?』


「尋問させてもらうよ」



クローリーはぽいっと私をベットに放り、すぐに私の逃げるところを塞いできた。



『へ!?いや……だから!何もないよ!?』


「いつ、どこで、どんな状況でミカって子の身体に触れたの?……一応聞くけど服の上からだよね?」



『あ、あ、当たり前でしょ!!』



その瞬間ハッとしてしまう。

しまった!



「ふーん。じゃあ続きを聞くよ。どこで?どうしてそんなことになったの?」


クローリーは私をジーっと疑いの目で見つめてくる。



『え、え……怒らない?』


「答えにもよるかな」


『クローリー絶対怒るし!』


「怒るような答えなら尚更聞いとかないといけないなー」



手首を掴まれ、ギュッと握られる。


逃げ場なんてないし、今ここで食われてしまいそうな勢い……



『お、おお落ち着いて!クローリー!』


「僕はいたって落ち着いてるよ?君がなかなか吐かないから自分をどんどん追い詰めてるだけ」



すると、クローリーはそのままパクッと首筋に噛み付いてきた。


『ひゃっ……』



喉の辺りにズブリと牙が刺さる。



怒っている時、彼は強引に血を吸ってくる。


今がその時だ。


喉に走る痛みと、手首を強く握られている痛み……


このままではもっと酷いことをされてしまう…と感じた私は



『わ、分かった……言うから……』


涙目になりながらそう言った。




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