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□君が触れていいのは
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クローリーはようやく首から牙を抜く。
「泣いても許してあげないからね。浮気疑惑出てるんだから」
『う、浮気って……』
私は小さく溜息をついて、話し出した。
『クローリーと一緒にサングィネムに行った時……ミカ君の部屋に遊びに行ったの。フェリドさんがクローリーを連れてっちゃったから、暇で……』
「うん、まぁその時のことは僕も覚えてるよ。大人しくしてたよね」
『……うん……あれね……寝てたの』
クローリーが眉間に皺を寄せたからすぐに弁解する。
『ちがっ、寝てたってあの……本当に、sleepingの方!いやらしい方じゃないから!』
「……後者は絶対許せないけど前者も許し難いよ」
『だ、だから怒られると思って言わなかったの……』
あの時、とても眠かった私。
うとうとしていたのがミカ君にもバレちゃって……
眠いなら僕のベットで寝れば?って、言ってくれて……
「あいつのベットで眠ったと」
ヤバい……今すぐにでもここから逃げ出したい。
だがクローリーは、私の両手首をガッチリと掴んでベットに沈めている。
「さ、続きを…」
『う……、それで……しばらく眠ってて……あの……起きたら……ミカ君も……横で……あの……寝て……』
「いいよ。続けて」
『よ、横でミカ君も寝てて……別にそんなに近くなかったよ!ベットも大きかったから……そしたら、ちらっと綺麗な胸板が見えて……すこーし触りたいなぁ〜って』
ギュウウウウウウっと手首が締め付けられた。
『痛い痛い痛い痛いっ!!!』
「折れない程度に痛くしてる」
『ドS!悪魔!吸血鬼!』
「最後は事実だね」
クローリーはハァとため息をつき
「……それ以上は何もしてないんだよね」
『してないです。そのあと直ぐに起きてミカ君から離れました』
「離れた?どうして」
『同じベットで寝てるだけでも……クローリー嫌かなって……』
潤んだ目でクローリーを見れば
「…………分かってるならそういうこと始めからしないで」
ちゅっ……と瞼にキスを落とされる。
「かなみには……すごく嫉妬するの……知ってるだろ」
『う……うん……ごめん……』
クローリーは私の手をひいて、彼の胸に当てた。
「君が触れていいのは僕だけだよ」
『っ……うんっ』
「ご希望であれば脱ぐけど?」
『ふ、服の上からで十分です!』
ブンブンと首を振った。
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