request(旧)

□吸血行為
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キィィィィィィン




私の刀は、後ろにいた新たな吸血鬼の剣によって受け止められた。





「なんなの?いきなり」




片手で剣を握るそいつは、グッと力を入れる。



私の体は、いとも簡単に傾いた。




『っ……』



ドサッ……



その場に尻餅をつく。




「たまたま見つけた家畜ちゃんなんだけど、思ったよりも美味しくてさー」



「フェリド君、こぼし過ぎじゃない?」



「この子が暴れるからー」



二匹の吸血鬼……



さらにこのクローリーという吸血鬼はたしか貴族だ。



いよいよヤバい……



逃げれるか?



だが……生きる道はもう……




私は立ち上がってその場から走り出した。



「あは……やっぱり馬鹿なんだね〜。……クローリー君捕まえてきてよ」


はやく……はやく逃げないと……



「えー?なんで僕が」



殺される……


血を……吸い尽くされて……



「クローリー君も飲んでいいからさー」



「あー…もうわかったよ」



全速力で走った。


でも……




貴族の吸血鬼の早さに……



ガッ



『っ……』



勝てるわけないんだ。




「はい、逃げないで。面倒だから」




後ろから、首に腕が回され引き寄せられる。




背中にクローリーの体があたる。



ゾクリと身体が震えた。



『嫌だ!!離せ!!やめろ!!』



「暴れないでよー」



グッと力を強くされ、首が締まる。



『っ……げほっ……』



「ちょ……クローリー君、まだ殺さないでよ?」


「じゃあ早くこの家畜引き取ってくれないかな?」



「えー……そのまま抑えておいてよ」



フェリドはそのままゆっくり私に近づき……



胸元のボタンを開ける。



『嫌っ……やめ……っ』



声を出せば、クローリーの腕が喉を締め付ける。



「はいはい、吸わせてもらうねー」



フェリドはそのまま、私の胸元に牙を突き刺した。




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