request(旧)
□吸血行為
1ページ/3ページ
『来るなよ……』
首から流れる血を手で抑え、私は目の前の吸血鬼を睨み付けた。
「あは〜……君が途中で逃げるからだよ?綺麗に吸ってあげようと思ったのに……こんな飛び散っちゃったじゃないか」
目の前にいる吸血鬼は、フェリド・バートリー。
第七位始祖の貴族だ。
そいつの服は、私の血が飛び散って赤い染みが所々についている。
『……それ以上近づいたら……殺す』
私は鬼呪装備である刀を抜いて、吸血鬼に向けた。
「この状況でそんなこと言えるなんて……馬鹿なのかな?」
明らかに……
私が不利なのはわかっている。
私の鬼呪装備は黒鬼シリーズでもない。
貴族を一人で相手にできるわけがない……
『……来るな……』
「んー……ヤダ」
フェリドはまた一歩私に近付く。
「君の血美味しかったから……もっと吸わせてよ」
そしてまた一歩……
『く……来るなよ!!!!』
私は勢いよく刀を振り下ろした。
フェリドはニヤリと笑って、軽々と私の刀を避けた。
『くっ……』
シュタッ……
その瞬間、後ろに気配がした。
「あー…クローリー君」
クローリー……
聞いたことがある。
私は振り向くと同時に、刀を再び振り下ろした。