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□家畜でもいいから(続編)
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目を覚ませば……



私の家の天井が見える。


自分のベットから起き上がり



いつものようにキッチンへ向かう。



運ばれてくる食料の中から適当にとって


包丁で手際良く切っていく。



カセットコンロで火をつけ



調理をして



朝ご飯ができあがる。




いつも通りの



何不自由ない




家での生活だ。





いや……



家と言う名の……



家畜小屋だ。





作った朝食を、リビングのテーブルで食べる。




ガチャ……




「おはよう、かなみ」



ふわりと笑顔を見せるのは



赤い目と鋭い牙を持つ、吸血鬼のラクス・ウェルトだ。




『……おはよう』




「血、飲んでいい?」




今は朝食中だ……



『も、もう少し待って……』




そう言った瞬間




ガッ……





ガシャーーーン





彼に手首を掴まれ、持っていたお皿は床に落ちて割れた。




そして、そのままテーブルの上に押し倒される。



「君に拒否権なんてないだろ?家畜のくせに」



『なら……聞かないでよ』




「まだ飼い主に口答えするの?」




手首を掴む力が強くなる。



『い……痛い……』



「あはは、折っちゃおうか」




彼に力を入れられれば、手首の骨は簡単にへし折れてしまうだろう。




『……ごめ……んなさい』



「血を吸ってくださいは?」



こんな茶番、何になるというのか……




黙っていると



手首に尋常じゃない痛みが走る。




『っ……あ……血を……吸ってください』



「仕方ないなぁ」




そう言ってラクスは



私の首筋に勢いよく牙を突き刺した。
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