request(旧)

□※救ってあげる
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血を吸われると思ったが……



『……そんなにフェリドが怖いなら……私を殺すのは無理そうだね』



「それは挑発?」



『思ったことを言っただけ』




これでは、たとえ別の吸血鬼が来たところで私を殺してくれる吸血鬼など現れないだろう。


『このまま……諦めるしかないのかな……』



「てか……君はなんでフェリドくんに捕まってるの?」



『知らないよ……。吸血鬼殲滅部隊にいた私は、彼と戦って簡単に負けた。それで、一口血を吸われたばっかりに……ここに連れてこられて……』



「え、かなみって吸血鬼殲滅部隊にいたの?……弱そうだね」



『っ……黒鬼シリーズでもない私が、貴族に勝てるわけない。それでも……あそこで死んだほうがマシだった……こんなことになるなんて……』




グッと鎖を引っ張ると


虚しく

ガシャンという音だけが聞こえた。



「……逃げたいの?」


『逃げたいんじゃない……もう……死にたい……』



「どうして?」



『今逃げられたとしても……武器もない私はあいつから逃げられない。……いや、武器をもってても無理だ……この生活に戻るくらいなら……』




ここで死んだほうがマシだ。


だから……



だから殺して欲しいんだ……



私はクローリーを見上げた。



殺してくれ……


と、訴えるように。



「だから……無理だって」



クローリーはため息をつく。



「もっと別の方法考えなよ?僕に殺してもらうことなんて100%無理なことだよ」



別の方法………か



私は目に涙を溜めてみる。



「吸血鬼に情なんて聞かないし嘘泣きはやめなよ」


『ちっ……』


「ほんと馬鹿」


『なっ……私なりに考えてるんだから馬鹿とか言わないでよっ。てか、じゃあどうすればいいのよっ』


「僕に聞かないでよ」


『役立たず』


「えー……」



てか……


なんか、普通に話してる……?


少し……



話し相手がいていいな……なんて……思ってしまっている。


まぁそりゃ……


今迄一人だったから……


こうやって言い合える人なんていなかった。


『……ちょっと……楽しいかも』


「僕と話すの?」


『っ………ちょっとだけだよ』


「ならよかった」



クローリーは小さく笑った。
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