short(旧)

□◉嫉妬
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『クローリー様!!!!』




私はクローリー様がいる部屋を勢いよく開けた。




「んー?……どうしたの〜?騒がしいね」




資料みたいなのに目を通して悠長な……




『っ……クローリー様の血をチェスに吸わせたのは本当ですか!?』



クローリー様は持っていた資料から目を離し




「……あー……」




ヘラリと笑って



「チェスには黙ってろって言ったのになぁ〜」




!!!!!





その言葉に私は





『こ、この浮気者!!!!!』





その瞬間私はクローリー様の胸ぐらを掴む。




「おーおー…今までで一番早く動いたんじゃない?さすがにビックリした〜」




余裕そうなクローリー様に怒りがふつふつと……




『…クローリー様の血は……私だけにくれるんじゃなかったんですか』



「んー……バレないと思ったんだけどなぁ」




『っ……』




私は胸ぐらを離し




「あれー?カナミ、どこいくのかな?」




出て行こうとする私を不思議そうに眺めるクローリー様。





『フェリド様のところ』




「んー?それはどういうこと?」



『血を吸われてきます』



「あはは、面白いなぁ君は」




ほら……私なんて全然どうでもいい存在なんだ。



愛されてると思っていたのに……




『じゃあさようなら!』




「うん。……じゃあ今度はホーンにも吸わせてあげないとね〜」




っ!?!?




思わず振り返ってしまった。




「だってチェスにだけじゃ不公平だろ〜?」



そんな……



クローリー様の血が……




そう考えるだけで涙が溜まってくる。
ダメだ。泣くわけには……




「あれあれ?…泣いちゃった?」




『泣いてません!』




そうムキになってクローリー様を睨んだ瞬間




彼の顔が間近にあった。
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