short(旧)

□◉愛の鎖
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「ねぇ〜、吸っていい?」




愛らしい笑みでねだってくるのはいつものこと。



『嫌です』



そしてそれを断るのもいつものこと。



「えー?なんで?いつも吸わせてくれるよね?」



『いつも無理矢理吸ってくるんじゃないですか』



「無理矢理ならいいの?」




あぁ・・・この人は・・・
と後悔したときには遅く、私は簡単にクローリー様に押し倒され、彼の牙は首筋に当たっていた。




『やめっ・・・』



声を出したと同時に、首筋にズブリと牙がささる。



吸血鬼である私が、こんな感情を抱いてはいけないといつも思う。
クローリー様の吸血行為は、私の中の理性を簡単に壊してしまう。



「ほら・・・やっぱ吸われるの好きなんじゃないか」



牙が離れ、にやりと笑みをこぼす彼の口元を見れば、赤い血が滴っている。



『好きじゃないです』



「素直じゃないなぁ・・・」




首から流れる血をペロリと舐めれば、ビクンと反応する身体。




「吸血鬼なのに、僕なしじゃ生きていけない身体になってきてることを認めたくないんでしょ」




『違います』




空っぽすぎる虚しい反論。



「良いと思うよ?僕も君を愛してる。・・・だから一緒に永遠に生きていこう?」





再び首筋に彼の牙が入ってくる。



「好きだよ・・・カナミ」






もう私は


彼の愛の鎖に絡められて、逃げることなんてできないんだ。
 

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