short dream
□体温(青峰)
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「うわっ!寒い…」
外に出ると、すぐに寒さにやられた。
「そうか?」
と隣で言うのは彼氏の大輝。
「寒くないの?見てるこっちが寒いんだけど。」
大輝の服装は普通に制服だけ。
私なんか寒くてコートを着てマフラーもしている。
「いや、別に?俺暖かいし。」
ほら、とおもむろに私の手を握る大輝。
「ほんとだ…あったかい」
「冷たっ!
名無しさん、冷たすぎねえ?」
思いの外冷たかったのか、少し顔をしかめる大輝。
「いつもこれくらいだよ?
手袋なんかくすぐったくて着けられないし。」
「なら、俺が暖めてやるよ。」
「…え?」
大輝らしからぬ言葉に耳を疑う。
「うっせえ。お前は黙って俺に手を握られてりゃいいんだよ」
「…うん!」
大輝の顔はいつもより少し赤かった。
「何ニヤニヤしてんだよ気持ちわりい。」
「別にー?」
この後、周りからすごい視線を感じたけれど、それを伝えられなかったっていうのは胸の内にしまっておこう。
END.
→あとがき