Hydrangea game

□Hydrangea game Stage,2
59ページ/65ページ



大体の策を練り終え、数パターンの対応法が確立した辺りで陽泉高校のメンバーは職員室に帰ってきた。応接テーブルには福井くんが寄ってくる。

「お疲れさま」
「おう。鏡は全部割っておいた。後、その場で4分放置で敵が出てこないのも確認した。今一階は安全だ」
「自陣は如何ですか?」
「みのりさんの言った通り、二つあるみたいだ。二年棟入ってすぐ左の階段がもうひとつの自陣。腕時計が8個とC4があった」

やはり自陣は二つあったか。そうなると渡り廊下を使わない作戦が取れる。あの渡り廊下、あっくんの情報だと絶妙にカーブしてて死角が出来ている。なのに隠れる場所はない。出会い頭に撃たれたとか洒落にならないので、使わないのが好ましい。

「再挑戦出来そう?」
「出来るべ。一番奥の階段、使ったはずのC4が戻ってた。俺らの腕から消えてた腕時計も戻ってきてた。そう言う事だべ」

してたはずの腕時計は資料室に落ちた段階で無くなっていた。C4も使ったはずなのに戻っているとなると、再挑戦しなければならないのだと分かる。

「お疲れ様でした。陽泉高校は休んでいてください」
「おう、必要なら出れるから呼べよ、みのりさん」

福井くんはそう言い残して陽泉メンバーが集まるところへと去っていく。
このルールにおいて、高火力、もしくは機動力を持つ者は欲しいところではある。端的に言うとあっくんと氷室くんだ。でも、休んで欲しいから、別の人物を使う。他の高校も割とバランスが良かったりするから、特に問題は出ないはずだ。作戦を立てるにおいて名前が挙がった者を考えみるに、攻撃力も機動力も十分である。
私はソファーから立ち上がるとドラグノフとショルダーバッグを持った。

「じゃあ、大事な機動力の片棒を育ててくるね」
「はい、お気をつけて」
「大丈夫。お目付役連れてくつもりだから」

さて、どこにいるかな、と考えながら、細かい点は参謀組に任せて職員室を出た。

●●
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ