Hydrangea game

□Hydrangea game Stage,2
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ラジオの改造は区切りの良いところまで終わらせた。無線機の方は全て改造が済んだ為、ちーちゃんが誰かを引き連れて実験に行ってくれるそうだ。そっちの方は任せる事にした。

で、私がしたいことは主に二つ。
キヨに話を聞いておくことが一点。ちーちゃんの話で大体分かったが、キヨの銃でどの程度撃てば倒せるのか、というのはちゃんと知っておきたいところだ。
そして二点目は、次の探索で一緒に行く事が濃厚な海常と陽泉を見ておきたいということ。りょーたんと笠松くん、あっくんと氷室くんの実力と得意なプレイスタイルは見たから分かる。実力は変化があるだろうがプレイスタイルというのはそう簡単に変わらないものだ。まだ実践でどう動くかわからないメンバーも多い。全員のプレイスタイルは何となくでも頭に入れておきたい。

そういった思考で武器庫まで来た。先にドラグノフとMac.10の整備と弾込めをしてから下の試射場に降りる。そこにいたのは思ったより少ない面子だった。みんなフィールドの中だろうか。そう思いつつ邪魔になりそうなドラグノフを壁に立てかけた。

「みのりさん、もう大丈夫なんか?」
「うんへーき。あー、福井くん、だっけ? みんな中?」
「そ、福井健介。宮地率いる秀徳対エース黄瀬を柱にした海常で盛り上がってるとこ。そこに氷室と紫原、あと虹村とか、その辺が参加してる」
「わー、楽しそう。いいなー、参加したい」

最近は受験生のキヨとサバゲーなんて出来なかったし、りょーたんも強い。生き死にが掛かったサバゲーじゃなく、普通のサバゲーがしたい。
途中参加はしないが、みんなのプレイが見たくてフィールドの入り口を開けて覗き込む。全体は見えないが、偶に誰かしらが視界に入る。いい動きだ。音も聞こえてうきうきする。
観察している間に福井くんと岡村くんがこちらに寄ってきていた。話があるのかな、と思い、一応扉を閉めた。

「どった?」
「聞いてないんか? 次、みのりさんが良かったらだがワシらと探索だぞ」
「あ、そうなんだ」

ちゃんと聞き返したところ、さっきショウちゃんが来てその旨を伝えたとのことだった。私に異論はない。だから陽泉と探索だと思っていて良さそうだ。

「宜しくね」
「おう、宜しく。で、どうするつもりだ?」
「うーん。一応、あっくんに連射させて、それをカバーする形にしようかな、って思ってる」

あっくんのミニガンの連射ならば簡単に弾幕が張れる。結構強力なパワーもあるから、一発でも当たれば致命傷になるだろう。動きが鈍れば他の子でも当てられる。それに、ミニガンというのは構え方的に左方への対応はしやすい。つまり逆サイドは弱点になる訳だが、そちらにはフォロー出来る者を配置すればいい。

「一番精密射撃上手いのって氷室くん?」
「そうだな。でも、やっぱ連射力がなあ」

福井くんも連射の事は気になっていたようだ。氷室くんのウィンチェスター ランダルカスタムはちーちゃんと同じく単発だ。短いから機動性はいい、という面では森林フィールドに良く合うが、多くの犬を討伐する、という目的には合わない。でも、まあ何とかなるか。氷室くん強いし。色んな意味で。
それに、司令塔は任せられそうだという事が分かった。大きな収穫だ。福井くんなら任せられるであろう。戦略を巡らせつつほくそ笑んだ。

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