Hydrangea game

□Hydrangea game Stage,2
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合流するからと歩き出そうとしたら赤司くんに止められた。ドラグノフを赤司くんに奪い取られ、目の前にちーちゃんが座る。

「え、何」
「足上がってませんよ」
「運ぶって言っただろ。早くしろ」

確かに足は上がってない。死にたくないと無理にでも動かし続けたから、そのツケが回ってきた。痛いというか、重いのだ。
でも、歩くくらい大丈夫なんだけどな。
しばらく迷ったものの、赤司くんに口で勝つのは無理そうだし、ちーちゃん頑固みたいだから折れることにした。ちーちゃんにおぶってもらい、マコちゃん達が集まるところまで連れてってもらう。

マコちゃん達は赤司くんが手榴弾を落とした辺りに集まっていた。こちらに気付いた葉山くんに手を振ったら、ちーちゃんに暴れるなと怒られた。背負ってもらっている身だから大人しくする事にする。赤司くんとちーちゃんはみんなの側まで行くと、私を側の木箱に降ろした。

「弓削さん、大丈夫? 怪我して動けないのかしら」

私の前にすぐ駆けつけてくれたのは実渕くんだ。碌に話してこなかったからそのオネエ言葉にびっくりした。でも、よくよく見ると違和感がない。心配してくれているのがよく分かったため、微笑んでおく。

「大丈夫だよ、ありがとう。怪我らしい怪我はしてないよ」
「本当だろうな」
「……。ちょっと弾食らったところは痛いけど、内出血した程度だから」

大丈夫だと言ってすぐマコちゃんに突っ込まれた。正直に言わないと殺す、的な目が怖かったため正直に言ったらため息を吐かれた。

「みのり先輩、あんたアホか。援護来るの分かってるなら高尾と待ってろよ。あんたと高尾の能力なら見つからず隠れてるのは可能だったはずだ」
「でも、そしたら秀徳と援護に来る子達が危険になるでしょ」

見たところみんなに怪我はない。自分のお陰だと言うつもりはないが、無傷で済んだのは情報があったのも大きいだろう。何の情報も無しに特殊ゾンビと相対していたらどうなっていたかは分からない。まあ、マコちゃんならなんとか上手くやってたんじゃないかとは思うけど、それでもこんなに早く平定してないんじゃないか。

「自分の安全とかちゃんと考えろって言ってるんだよ」
「だから、生きてるでしょ」
「そういう事じゃねえよ」

マコちゃんに叱られる言葉の数々はちゃんと納得の出来るものだ。それでも、あれがあの時の最善だったことに変わりない。
そんな風に考えていたら、マコちゃんと私の間に実渕くんが割り込んだ。

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