Hydrangea game

□Hydrangea game Stage,1
87ページ/89ページ



前扉から聞こえてくる銃声が大きくなってくると、教室へのゾンビの侵入が収まった。一応みんな気を抜かずに銃を入り口に向けている。すると、黒髪がひょっこりと教室に頭を突っ込んだ。誰だかはすぐ分かったが、宮地がつい引き金を引こうとしてしまったのはご愛嬌だ。

「うわっ、撃たないでくださいねー。…おし、全員いる!」
「ああ。怪我もない。三階探索組は廊下に出ましょう」
「おー、流石赤司。言いたいこと言われた」

移動という事で黛はM40A1のスリングを肩担いで、腰に挿していたコンバットマグナムに手持ちを変更した。それを見た宮地は、そっちも連射利かない奴かよ、と内心で思いながら、さっさと廊下に出る。後ろ扉方面はミニガンを持った紫原が殆どを片付け、逆サイドは霧崎四人が二人ずつ組んで、交代に撃っているようだった。

「宮地さん、弾どれくらい残ってますか?」
「ほぼマガジンひとつ分だ。400くらい」
「葉山さんを温存させてたので、そっちもいけます」
「そうか。なら、宮地さん、葉山で前お願いします。真っ直ぐ行くと渡り廊下の扉があるので、そこに入って下さい」
「分かった」
「オッケー」

宮地が出るとすぐに花宮が反応し、話し掛けてきた。赤司のパスもあり、すぐに作戦立てが終わると霧崎が一旦撃つのを止める。それを合図に宮地と葉山が銃を構えて走り出す。

「後ろは黄瀬、虹村。残りはサポートに回れ!走るぞ!」
「おう!!」

各々返事と共に走り出す。掃除しつつ来たとはいえ扉を壊された教室だとかはわざわざ見ていないためそこからの敵は多い。だが、葉山の銃身を薙ぎつつの連射でゾンビは鈍り、それを宮地が淡々と処理していくため走りは止まらない。
また、後ろも虹村と黄瀬が後ろ向きに移動しつつも着々と近付く敵を伸していく。そして、紫原がマガジン交換をして二人を避けつつもミニガンをぶっ放し、二人の移動をサポートする。偶に高尾は距離が詰まってきた真後ろのゾンビをノールックで倒したり、氷室がゾンビの顔面に肘を叩き込んだりしていた。

その頃には先頭を走った宮地、葉山とその後ろでサポートしていた霧崎四人は渡り廊下への扉を通っていた。四階から降りてきたりトイレの方から踊り場へと来ようとするゾンビは葉山と山崎、古橋が担当し、手は足りているようだ。そう判断すると宮地は立ったまま銃を構える。横ではいつの間にかいた黛が床に伏せていた。考えることは皆一緒だ。出来ることをする。それだけだ。
宮地は仲間を撃たないように慎重に引き金を引いた。

●●
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ