Hydrangea game

□Hydrangea game Stage,1
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ドラグノフを肩に引っ掛けようとすればマコちゃんに取り上げられた。

「まずは渡り廊下に出る。先頭は紫原。弾幕張って道を作れ」
「ん、了解」
「サポートに氷室、ザキ、笠松さん。虹村、高尾、黄瀬で後ろを。原、コレ持っとけ。んで、お前はトイレ側見とけ。俺もサポートする。みのり先輩、気合い入れて走ってください」
「ん、オッケー」
「う、…承知した」

取り上げられた銃は原くんが持つことになった。走りながらじゃ確実にドラグノフは邪魔になるから、走る障害にならない子に渡した訳か。走るのは得意でないが、撃ちながらで遅くなった彼らにくらい、ついていかなければ。Mac.10を腰から外して持っておく。
素早い編成だが的確さに納得する。前は威力と弾数に定評のあるミニガンを持つあっくんを中心に、どうしても外れる部分を狙撃が得意な面子で固める。後ろに弾幕を張れる面子、私は邪魔にならないように走るだけ。虚しいな、おい。でも、抱えられるよりよっぽど邪魔にはならないか。
今言われた編成で扉の前へ。既に戸はドアドンが始まっている。

「一旦手榴弾を使う。高尾、投げろ。爆発したら行け」
「へいへーい」

カズくんなら目を使うことでゾンビに当たって戻ってくるのを防げるから、かな?
扉は片手を空けられる氷室くんが担当する。
カズくんがピンに指を引っ掛けたのを見ると氷室くんは小さく扉を開ける。カズくんは隙間を上手く通して手榴弾を廊下へと出す。すぐに扉が締められる。
ドンッ
鈍い爆発音と共に再び扉を開け放つ。

「じゃあ、頑張って」

少年がそう言ったのを私は聞いた。扉の前の敵は吹っ飛んだようで雪崩れ込んでくる敵はいない。虹村くんとあっくんが出る。前方と後方を分かれて連射する。すかさず氷室くん、山崎くん、笠松くん、りょーたんが出る。りょーたんが教室正面にいた残党を狙撃し、前担当の三人はそのまま右手へ走りだす。次にマコちゃんに促されて私、原くん、マコちゃん、カズくんの順で出る。私は一応Mac.10を片手に後ろは見ずに走る。仲間に任せる事にしなければ足の遅い私はお荷物だ。一応遅れない程度に横は見る。

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