Hydrangea game

□Hydrangea game Stage,1
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「で、二つ目はどうする?」
「そっちが本題でしょう。みのり先輩」
「え、いや、…はい。本題です」

マコちゃんの怪我治すのが本題、と言おうとしたら睨まれた。またアイアンクローを食らうのは嫌なので、マコちゃん的には本題となっているお願いをすることにする。というか、本当に何を考えてたのかバレてるわ。何も言ってないのに。流石妖怪の後輩。

「んじゃ、質問に答えて欲しい」
「いいだろう。但し条件が幾つかある。一点、権限の関係で答えられない事もある。二点、君の質問しか受け付けない。そこだけ理解してくれ」
「私が他の人に相談して、そこから質問するのはあり?」
「それはありだ。まあ、この棟の事なら答えられるだろう」

この棟、か。やはり別棟が存在するようだ。なんたってここには一年の教室しか見ていない。そして、この棟は四階までしかない。ならば別のどこかに二年三年の教室があるはずだ。と、こういうことか。なんていうマンモス校。

「他の棟が存在する、と」
「如何にも」
「何棟?」
「ここの他に二棟以上。実際の数は知らん」
「なんで?」
「管理者の違いだ。僕が管理するのはこの一棟のみ」

なるほど、このボスの試練はここまで、で、どうにかなって別棟への道が現れて第二ステージ、という感じかな?
一旦マコちゃんに目線を送れば顎で少年を示された。しばらく好きに質問してっていいようだ。足りない部分は後から指示が出るだろうから、好きに聞くことにする。

「ここの他に二棟ってことは、ボスってのは君を含めて三人でいいのかな」
「そうなる。それぞれが取り敢えず一棟を管理している。そして、新しい棟を設置する権利もある。僕は設置していない」

少なくともあと二つ。ゲーム感が強いことから、更に難しくなる可能性がある。厳しいな。ならばゾンビの習性を聞いておくのが良いか。

「ゾンビは何を頼りに追ってくるの?」
「人と同じ。目と耳だ。中には何かに特化した者もいるが、ここの棟には出てこない」
「例えば?」
「さあ?しかし、犬型ゾンビがいた気はするな」

なるほど。なら、こっちが気付く距離なら気付く能力があるし、ノーマルゾンビなら一方的に居場所が知れる事はなかなかない訳か。

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