Hydrangea game

□Hydrangea game Stage,1
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茶道室へと入るととっととマコちゃんには座ってもらう。顔では何でもない風を装っているがあまり力が入っていない。処置を始めた頃と比べて体温も高く感じるから心配である。全員茶道室へと入ると扉が勝手に閉まる。
罠か?と全員身構えるが特に何もないようだ。

「さて、アレは何処へやったか…。少し話しているといい」

少年は首を傾げながら隅の方にあるダンボールやら棚やらの中を漁っている。
いやいや、覚えておこうよ、と少し呆れていれば笠松くんがマコちゃんの横に座った私の前に微妙な間を空けて座る。

「…私が頼んだって言ってたな。どういう事だ…。説明しろ」

笠松くんはほんの少し赤くなりながらもしっかりとこちらへと目をやる。その態度が女の子苦手な友人と重なる。無理してるのか。悪いね。
でも、多分この人は信頼に足る人だ。信用ならないって今回の件で思っているであろう私の話を聞こうとしてくれる。良い先輩だ。羨ましいな、りょーたんや。
彼の言葉に頷いてから口を開く。

「じゃあ、取り敢えずあのフィールドで起きたこと、それから私がとった作戦を説明するね」

取り敢えずみんなに纏まって座ってもらう。さて、何から話すか、と考えていたら、マコちゃんに背中をぽんと軽く叩かれた。励ましてくれているのが分かっていつの間にか入っていた肩の力が抜けた。

「まず、何よりも先にカズくんを探した。見つかると弱い私にとって、かなり分が悪かったから」
「ちょっといいっスか?みのりっち、前は地形把握、フィールド把握優先って言ってなかった?」

まあ、普通のサバゲーで初めてのフィールドだったら最低自陣くらいは見ておくのが常ではある。ただ、相手はホーク・アイである。

「うん。それはそうなんだけど、カズくんに関しては地形の優位性とか関係ないから。それに、色んなところから情報を得て私をかなり疑っている内の一人だというのもある」
「あれ、バレてた?ごめんね。因みにどれくらい離れてたん?」
「バレてるし、そこは気にしてない。表面に出してこない、腹の底の底で考えてるだけで行動はみんなと同じな分疲れないから構わないよ。大体25m」
「サンキュー。そりゃ見付からねえわ」

まあ疑うのもしょうがない。気にしてたら気疲れする。悪怯れないカズくんを尻目に先を話す。

「絶対条件として、怪我をさせないこと。だから、上げると予想が付いたUZI SMGのボディに当てた。りょーたんの顔の横通ったのはご愛嬌で。……ごめん。悪気はない」
「いや、頭上げて欲しいっス!当たってないから!」

当てない自信はあったけれど顔の横を後ろから撃たれたら怖いだろうと、戯けてからだがちゃんと頭を下げて謝った。りょーたんはすぐに許してくれた。優しい。

「そんで、その後見つかるの嫌だったから追撃しないで離れて、あっくんを探した」
「何で俺なの?」
「大っきいから。あと、氷室くんが合流しそうだから、だね」
「今度は俺かい?」

あっくんは目立つ。頭は紫だし身長は規格外。2mが隠れようとしても隠れられないもんね。氷室くんは厄介だからの一言に限る。

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